桃色の片思い (ページ37)

今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:108,921 hit

37.凝縮ページ37

.

[ JAEHYUN SIDE ]

『ジェヒョンさんは
　適当にくつろいでいて下さい』

俺は今、Aさんの部屋に居る
まさか、こんなに早く彼女との距離が縮まると思いもしなかった

.

それに、送ると言った彼女の家は
まさかのNCTが住んでいる寮の一室だった

.

彼女曰く
会社に指定された場所らしい

…いや、何でこの男だらけの寮を指定した？
(空きがココしかなかったらしいです)

.

ちょっと嫌なんだけど？？

と言うか何故今まで一度も会わなかった？

.

そうは思うものの
パパラッチに撮られる事もなく
無事に彼女を送り届ける事が出来たし良いか

くつろいでいてと言われ
ソファに腰を掛け、辺りを見渡す

だけどそわそわしてしまって
逆に落ち着かない

…だって好きな人の部屋だよ？？

.

あーあ、Aさんと会う事が分かっていれば
もっとちゃんとにお洒落して来たのに

戻れるものなら
数時間前に戻って、身だしなみを整えたい

.

「何か手伝える事ある？」

『ううん大丈夫です
　簡単なモノで申し訳ないけど』

「Aさんが作ってくれるモノは
　何でも嬉しいよ」

…何だコレ
まるで新婚を連想させるような会話に
少し酔いそうだ

.

そう言って出してくれたのは
ワンプレートに飾られたモノ

『おにぎり』
「オニギリ？？？」

『うん
　日本だと簡単に作れて、お腹にも溜まるし
　よく食べる食べ物だと思う』

(少なくとも私はよく食べる)

.

「この玉子は？」
『コレはだし巻き玉子』

コレは何て言うの？アレは何て言うの？
彼女が作ってくれた日本食を一つ一つ聞いて
噛みしめながら食べた

.

「美味しい」
『…本当？』

「本当だよ」
『それなら良かった』

「本当に美味しいよ」

.

あまりにも幸せな空間に
実は夢なんじゃないかと疑いたくなる

でも、もしこの光景が夢だと言うのなら
ずっと冷めないで欲しいと心から思った

.