桃色の片思い (ページ35)

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35.視力の問題ページ35

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[ JAEHYUN SIDE ]

久々の休日をどう過ごそうか考えた時
ふと頭に浮かんだのは

彼女、Aさんの事だった。

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いつか彼女を自分の車に乗せるときが来たら…
と思ったらいてもたってもいられず

久々に車のエンジンを付け、ドライブへと出掛けた

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暫く運転をしていれば
両手一杯に荷物を持った、後ろ姿を見つけた

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「Aさんだ、」

正面は見えないものの
あれは絶対、彼女だと思う

と言うか俺の視力、どうなってんの？

Aさんの事になると
めちゃくちゃ視力が良くなるんだけど…？？

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車を止め、彼女の居る所へと
足が勝手に向かっていた

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「はぁ、視力と言い
　行動力と言い…本当、必死すぎ」

自分の本能に呆れつつも
彼女の元へと行けば、やっぱりAさんだった

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ほらね、俺が彼女の事を間違えるなんて
ありえないんだ

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思わず彼女の事を呼び捨てにしてしまったが
俺の声に振り返り“ジェヒョン”と呼ぼうとした

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だけど今はプライベートだし
彼女に“ユノ”と呼んで欲しかった

『ユ、ユノ』

戸惑いながらも
ユノと呼ぶその声にドキッとした

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荷物を持つと言えば

「なーんだお姉さん
　彼氏と来てたのかい」と店員は言った

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「か、彼氏！？」と驚くものの

咄嗟に否定の言葉が出ないのは
いずれ、彼女の彼氏になりたいと思っているから

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店員も俺の事をよく分かっていないみたいだし
「そうです」と言えば

今度は隣に居た彼女が驚いた。

そんな驚いた様子も可愛くて、思わず笑みが溢れる

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荷物を受け取り
車で送っていくと言えば、分かりやすく嬉しそうな顔をした彼女

「車までちょっとあるけど持てる？」

『うん、ユノが持ってくれているので
　全然歩ける』

「ユ、ユノ…！！！」

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まさかまだユノと呼ぶとは思わず
名前を呼ばれドキッとする

いつか、いつか
彼女にまたその名前を呼んで貰えるように
距離が縮まればいいなと切実に思った

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