桃色の片思い (ページ34)

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34.救世主ページ34

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後ろからする声に振り返れば
そこには何故かジェヒョンさんが居た

私には分かる
変装をしているけど、この人はジェヒョンさんだ

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『ジェヒ、』
「今はユノって呼んで」

『ユ、ユノ』

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ジェヒョンさんと呼ぼうとすれば
小声で今はユノって呼んでと言われた

それもそうか、

彼は今をときめくアイドル
こんな所でバレてしまえば街中が大騒ぎだ

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「お姉さん何か言おうとしてなかった？」
『なんでもない、』

取り置きの事を言おうとしたけど
騒ぎが大きくなっても仕方がない

「荷物、貰いますね」
『え？』

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「なーんだお姉さん
　彼氏と来てたのかい」

(それなら早く言ってよ
おじさん、心配しちゃったじゃん)

「か、彼氏！？」
「あら、違ったかい？」

スマートにやって来て
スマートに荷物を貰うと言ってくれたジェヒョンさんだけど

そんな私達を見て勘違いした店員さんに
彼氏と言われれば
今までに見たことのない慌てようだった

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こんなジェヒョンさん、初めて見たな

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「はい、そうです。彼氏です」
『カ、カ、カレ、シ！？』

だけど、そんな会話の中で
彼氏だと言ったジェヒョンさんに今度は私が驚いた

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「付き合ってまだ数日かい？ウブだね～」

そんな私達を見た店員さんは
ウブだと言って笑った

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「送っていくよ」
『いいの…？？』

「その大荷物じゃ
　電車乗るのもしんどいでしょ？」

『…うん、』

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「はは、素直だね」

ジェヒョンさんによると
車でたまたま通りかかった際に

大荷物を持った私を発見し
わざわざ車を止めて来てくれたそうだ

…なんて優しい人なんでしょう。

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更にはそんな状況を察し
送ってくれるとまで言ってくれて…

だから、なんて優しい人なんでしょう(2回目)

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「車までちょっとあるけど持てる？」

『うん、ユノが持ってくれているので
　全然歩ける』

「ユ、ユノ…！！！」

『？』
「ううん、何でも無い」

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車までの帰路を、他愛ない話をしながら歩けば
荷物が重いなんて事をすっかり忘れていた

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