桃色の片思い (ページ24)

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24.案内役ページ24

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[ JAEHYUN SIDE ]

「それで、ここが練習室で…」

やっぱり、いざ2人になると
何を話していいのか分からず、余計に挙動不審になる

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そんな余裕の無い俺に対してAさんは

『ここで、皆練習を…』

全然、そんな事はなさそうだった。

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本当は聞きたい事、話したい事
沢山あるはずなのに、いざ、本人を目の前にすると
全くそれらが出てこない。

挙げ句の果てに、必死に思い付いた言葉が
「す、好きな食べ物って何かありますか？」だった

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いや、数ある中で、何でそれを選んだんだ俺

と言うか
好きな食べ物も確かに知りたいとは思うけど

間違いなく、それは今では無い。

『えっと、それは韓国料理？
　それとも、食べ物全部…？』

だけど、それでも
真剣に答えようとしている彼女を見て

ぷつんと
今までの張っていた緊張の糸が切れ始めた

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「どっちでも」

『韓国料理だったらビビンバ
　全部の食べ物だったら、桃と葡萄が好き』

“桃が好き”
どくんと、胸の鼓動が一つ聞こえた。

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どこかで聞いた事あるフレーズに
これも運命かと思った

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『ジェヒョンさんは何が好き？』

「僕もAさんと同じで桃が好き」

『一緒だ、』

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「そうだね、一緒」

あんなに緊張していたのに
ほんの一瞬の出来事で、緊張なんか何処かへ飛んで行き

もっともっと、彼女の事が知りたいと思った

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「じゃあ、次に社内のカフェに案内するよ」

「もしかしたら
　桃の何かがあるかも知れないね」

これを機に
彼女との距離も少し、縮まって欲しいな

そんな感情も込めながら
Aさんと社内カフェへと向かった。

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