【短編集】Dear my princess【浦島坂田船】

2番手王子は嫌いですか？【snr】 ページ10

センラside



ﾓﾌﾞ「先輩、好きです…！付き合ってください！」


いつだってそうだ


センラの好きになった人はいつも別の誰かが好きで


ようやくかなった恋と思ったら自分は遊びで捨てられる


誰の1番手にもなれずに永遠の2番手


それは大人になってからも一緒で、歌い手として成功した今でも歌う曲は叶いそうで叶わない恋心や浮気される曲など決して1番にはなれない曲


セ「ねぇ分かったでしょ？どうぞ次の恋を探してください」


相手の幸せを願うフリをして雨に頬を濡らすようなそんな曲


誰かの特別に。1番になれたらななんて淡いものは捨ててしまおうか


そう思っていたのに


「セーンーラー！！なに落ち込んでるの？どうしたどうした〜？まぁた仕事で怒られたか？」


セ「A…」


Aは幼馴染。母親同士が幼馴染でなんと産まれる前からの付き合いらしい


セ「お前なぁ…せっかく顔はええんやでもっと大人しゅうしてみぃ…やから彼氏いつまでたっても出来へんねんぞ！」


「はぁぁ？？？うっさいわ。そんなん言うてる暇あったらセンラだってそんな湿気たツラしとらんとしゃきっとせぇしゃきっと！せっかくの美人顔が台無しやぞ」


セ「あんたは俺のオカンか…」


落ち込んでる時も楽しい時もなんやかんやそばに居てくれるのはAだった


彼女に遊びで捨てられて苦しかった時も


「なんやのそんな女。センラの優しさに漬け込んだだけやん。そんなクソこっちから願い下げゆーたり！」


「大丈夫大丈夫。センラにはもっとええ人居るよ。私が証明したる！！」


って言って結局は「なんでお前がセンラの事未来保証すんねん」って笑わせてくれる


ちょっと男気があってどちらかと言えば性格イケメン


でも外見は可憐な少女を体現したかのような儚く可愛いらしい見た目


そんなギャップもええとこな幼馴染のAに自然と心惹かれていった


いつも泣きそうな手を引くのはAだったけど、センラはAの王子様になりたいんですよ


なんて叶うわけないかなぁ


そう思っていた

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