感情を失った星と、臆病な雷 7

感情、きゅうこめ ページ10

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し「恐らく、その童磨という鬼は

私の姉…カナエを殺した鬼です。」






A「カナ、エ…さん…」









私は会ったことがないけど









カナヲとアオイから話は聞いたことがある









優しくて、自由な人で、しのぶさんみたいに笑顔が綺麗な人









し「…まぁ、先にAの治療が先ですから

安静にしていてくださいね」









しのぶさんの笑顔はいつも通りに戻っていて









でもどこか、殺気と悲しみが含まれてた









A「…」









私と善逸はしのぶさんの部屋から退出して









義勇さんが来るまで発声練習をしていた









A「あ、あーー…」






善「やっぱり、ちょっと掠れちゃったね」






A「う、ん」









すると、コンコンと部屋の扉を叩く音がした









入ってきたのは、義勇さんだった









義「…どうだ」






A「こ、えが…だしに、くい」





義「…他は」





A「だ、いじょ、ぶ」









義勇さんの張り詰めたような顔が少し緩んだ









義「胡蝶にも言われたとは思うが

あまり無茶はせず安静にな」





義「我妻、悪いがAのことを見ていてやってくれ」








善「もちろん」















義勇さんはそれだけ言ってしのぶさんのところへ行ってしまった









言葉少なげだったけど









すごく心配してくれていることは伝わった









善「Aちゃん、気分転換にお花畑行かない？近くに綺麗なところがあるんだ」









A「…な、まえ」









A「あの、ときみたい、に…

よ、びすて、が、いい」









あの時、父さんの頚を斬ったあと









善逸は私のことを呼びすてで呼んでくれた









それが嬉しかったから









また“ちゃん”付けで呼ばれると









ちょっとだけ、いやだなって思う









善「(えええええええ嘘でしょ？！

可愛すぎじゃない？！え？！)」








善「……うん。じゃあ、行こっか









…A」









A「う、ん…！」









名前を呼んでくれた善逸の顔は、すごく真っ赤になっていた

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