感情、ななこめ ページ8
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善「…帰ろう、Aちゃん」
A「…」
善「…」
手に残る
父さんの頚を斬った感触
私にはもう
家族がいない
もう、二度と会えない
話せない
触れられない
A「…ぜんいつ」
善「…なぁに?」
A「……ぎゅってして」
善逸は私の背中に優しく腕をまわした
片方の手で、頭を撫でてくれる
A「わたし…ひとりになっちゃった
だれも…いなくなっちゃった」
善「俺がいるじゃん
俺がずっと、Aのとなりにいる
Aを一人になんかさせない」
A「う……あぁ…っあああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!!!」
善「大丈夫…俺がついてる」
A「うああああああああぁぁぁ!!!!」
その日、私たちが蝶屋敷へ帰ったのは日付が変わる頃だった
しのぶさんがすごく怒っていたけど
私の泣き顔を見て、何も言わなかった
その場にいた義勇さんも
ただただ、何も言わずに私の隣にいてくれた
炭治郎と伊之助、禰豆子ちゃんも
私に気を使ってくれた
いつもなら申し訳ないとか、ありがとうとか思うけど
今の私にはそんな余裕なんかなくて
…ただ
善逸が私の隣にいてくれているということだけが、私の心を保たせていた
こんな私を見たら、きっと杏寿郎さんに怒られちゃうな
A「…」
私はずっと、月を眺めていた
不気味なほどに綺麗で
自分が自分ではなくなりそうだった。
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奏空(プロフ) - 葵羽さん» こちらも見てくださってたんですね!ありがとうございます!頑張ります! (2020年4月17日 21時) (レス) id: 1083f72b11 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - すごく面白いです!奏空さんの作品はどれも大好きです(*^^*)無理せず奏空さんのペースで更新頑張ってください!応援してます! (2020年4月17日 19時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏空 | 作成日時:2020年2月21日 23時