２月１４日−９ ページ27
ゆっくりお風呂に浸かって、気持ちを沈める。
何であんなことしちゃったの、私。
「いや」って言えばよかったのに。
翔さんが急に冷めちゃったのは、
私が魅力的じゃないからかもしれないと思い始めて。
お泊まりする気でいたけど、
そう言われてなかったことにも気付いて。
・・・、帰った方がいいのかな。
ふうっと息を吐く。
すぐ挫けてしまう。
翔さん、あんなに妬いて
気持ちを伝えてくれたのに。
自信がないのって、どうしたら直るんだろう。
堂々巡り。
ループから抜けられない。
愛しい彼のおうちの浴槽の中。
何でこんな気持ちになるの？
「唯？」
ドアの向こうから翔さんに呼ばれる。
「はい。あ、ゆっくりしすぎました？」
できるだけ、いつもと変わらない声を出して。
かちゃっと開くから、慌てて肩まで入る。何？
服を着たまま浴槽の傍まで来た翔さん。
スウェットを捲くった足が見えた。
横を向いた私の顔を、屈んで覗き込んだら。
一回、触れるだけのキス。
「ん？何で、そんな悲しそうな顔してる？」
答えられない。何て言えばいいのか、分からないし。
「意地悪し過ぎたかな、ごめん。」
近づいてくる翔さんをかわそうとしたら、
お湯の中まで手が伸びてきて、抱き寄せられる。
そのまま、深いキスが始まって
肌にＴシャツの感触。
お湯がちょっと波打って、パシャっと音がする。
んって、翔さんから漏れる声。
Ｔシャツ、濡れちゃってる。
「唯、のぼせちゃうな。」
そう言いながら離れて、
「着替え、置いたよって言いに来たんだ。」
そろそろ出ておいでって。
置いてあったのは、ローズピンクのバスローブ。
取りあえず、それを着て浴室を出た。
「翔さん。これ、着てよかったの？」
まだ薄暗い中、ワイングラスを傾けていた横顔に聞いた。
一瞬、目を見張ってから、深く頷いて。
「いいんじゃない？似合ってる。色味も大成功。」
それだけ言って、私の横をすり抜けるようにして
浴室に行ってしまった。
もう少し、かまって欲しかったな。
仕方なく、グラスに残ったワインを飲む。
ちょっと眠い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おはな(プロフ) - らんまるさん» らんまるさん、心強いコメントをありがとうございました。おっしゃる通り、猛翔(！)がんばりますね。わずかでも楽しんで頂けたら、嬉しいです。 (2016年9月21日 8時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - 猛省中なんて…書き手さんは色々と大変ですよね。私は無責任にただただ楽しんでるだけですから。猛省では無く、猛翔でお願いしますm(_ _)mどこまでもついて行きますよー！(^O^)／ (2016年9月19日 23時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - らんまるさん» らんまるさん、せっかくコメント頂いたのにごめんなさい。殻を破って愛し合った部分を大幅にカットしてしまいました。やり過ぎました。反省しています。「甘い」レベルでおさめるようにします。これに懲りずまた読んで頂ければと思います。よろしくお願いします。 (2016年9月19日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - nanaさん» nanaさん、せっかくコメント頂いたのに、愛され部分を大幅にカットしてしまいました。ごめんなさい。猛省中です。でも先生にどれほど愛されているか、ちゃんと書いて行きますね。見守って頂けると嬉しいです。 (2016年9月19日 22時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - 甘い夜のご褒美、ゴチです。いやー、甘いというか激しいというか。それにかなり恥ずかしい。いやん、「全てよこせ」ってこういう事？でもここまで心と体の殻破っても愛してくれる安心感がイイ。 (2016年9月19日 2時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おはな
| 作成日時：2016年8月22日 8時
