答え合わせの後−２ ページ17
「じゃあね、唯。その小椋先生のこと、ちゃんとしないとだめよ。
櫻井先生に任せておいたら、だめ。」
優美の口調が変わった。
「自分で対決しておいで。」
「え？直接？こじれたりしない？」
「櫻井先生がしっかりしてれば、こじれないよ、きっと。
ただね、彼に任せっ放しだと良くない。
男は、別れた女に甘いからね。後を引きずるよ、これからも。」
「本当？」
「女の勘だけどね。その甘さを絶対衝いて来るよ。
その小椋先生っていう女は。」
「そうなの？」
「ちょっとでも引いたらだめよ。絶対に。
あなたがいなくても、私がこの男を幸せにしてみせるって
はっきり言わないとね。
医者としては、尊敬する先輩でも、
男のことは、容赦しちゃだめ。
そういう隙が全てを壊すのよ。」
「そうだよね。うん。」
「唯、大丈夫？心配だなあ。」
「うん、まあ、自信ないかも。」
だって、私の経験値が低すぎる。
「我慢しても、良いことなんて一つもないんだよ、唯。
あなたができないことを、私はこんなにできるって、
具体的にたくさん挙げて、分からせるの。
どうせ、恨まれるのよ、ずっと。」
「やだ、恨まれるなんて怖いじゃない。」
「あのねえ、誰でも自分が幸せになるまで、ずっと恨むものなの。
だから気になってるんだけど、小椋先生を恨まない櫻井先生ってさ、
ちょっと不思議ね。」
「・・・。きっとすごく好きだったんだと思うの。」
「唯・・・。」
「別れて何年経っても忘れられないくらいに。
名前で呼び合うくらいに。
ちょっとだけね、翔さんの本当の相手がね、
私じゃなくて小椋先生だったらどうしようって思うことがあるの。」
やだ、泣きそう。
「私だけってたくさん言ってくれるから、
何とか持ちこたえてるけど。」
「うん。」
「比べれば、小椋先生の方が相応しいかなって。」
「ばか。何言ってるの。」
「だって、私、あんなに堂々と廊下で呼び止めたりできないし。
痩せてないし、声も綺麗じゃないし、
まだまだ医者としても未熟だし。
って、考えちゃう自分が嫌になる。」
涙がこぼれる。
「唯、それ、小椋先生の罠よ。むこうの作戦勝ち。冷静になって。
心細くなったら、櫻井先生に慰めてもらえばいいのよ。
素直に言って、ね。」
「でも、こんなこと言ったら嫌われちゃう。」
「そんなことないよ。
この程度で嫌うような小さい男じゃないでしょう。
今の唯、すごく可愛いから大丈夫よ。」
慰めてもらって、電話を切った。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» らんまるさん、心強いコメントをありがとうございました。おっしゃる通り、猛翔(！)がんばりますね。わずかでも楽しんで頂けたら、嬉しいです。 (2016年9月21日 8時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - 猛省中なんて…書き手さんは色々と大変ですよね。私は無責任にただただ楽しんでるだけですから。猛省では無く、猛翔でお願いしますm(_ _)mどこまでもついて行きますよー！(^O^)／ (2016年9月19日 23時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - らんまるさん» らんまるさん、せっかくコメント頂いたのにごめんなさい。殻を破って愛し合った部分を大幅にカットしてしまいました。やり過ぎました。反省しています。「甘い」レベルでおさめるようにします。これに懲りずまた読んで頂ければと思います。よろしくお願いします。 (2016年9月19日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - nanaさん» nanaさん、せっかくコメント頂いたのに、愛され部分を大幅にカットしてしまいました。ごめんなさい。猛省中です。でも先生にどれほど愛されているか、ちゃんと書いて行きますね。見守って頂けると嬉しいです。 (2016年9月19日 22時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - 甘い夜のご褒美、ゴチです。いやー、甘いというか激しいというか。それにかなり恥ずかしい。いやん、「全てよこせ」ってこういう事？でもここまで心と体の殻破っても愛してくれる安心感がイイ。 (2016年9月19日 2時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年8月22日 8時
