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何だかむしゃくしゃしてくる。
チーズケーキ、先生に投げつけてやろうかしら。
そんなことできるはずないのに。
だいたい、食べ物に罪はないと思い返す。
パタンとドアが閉まる。
さて、どうしよう。
こういう時、咄嗟に思いつくのよね、私。
「あ、間違えた。やだあ」
小さく呟いてエレベーターに戻る。
昇りのボタンを押して待つ。
いくつか上まで行って、
ちょっと間を置いて戻ってこよう。
うん、それがいい。
もう一基のエレベーターを待つ彼女と並ぶ。
仕方ないなあ。挨拶しておこう。
「今晩は」
「あ、今晩は。
お仕事のお帰りですか？」
本当、綺麗な声だなあ。
「ええ、ぼーっとして
階を間違えてしまって。
恥ずかしいです」
「お疲れなんですね。
週末ですものね、お疲れが取れますように。
あ、失礼します」
なんとまあ、お上品な。
好感度抜群の素敵女子だわ。
櫻井先生、いいご趣味。
青姦とは結びつかないかなあ。
我ながらお下劣な想像をしてしまった。
これじゃスケベじいさんだわ。
じいさんにも失礼極まりない。
降りて行くエレベーターを見送って
地下に着くのを見届けてから回れ右。
玄関先で失礼しようと決心しておく。
ドアを開けた後で、
ぽかんとケーキの箱を見つめた櫻井先生が、
少しの間固まった。
何？松本情報、ガセか？
本当は嫌いだったとか？
「お前、俺の好物知ってたんだな。
へえ」
良かった、ガセではなかった。
ほっとしたわ。
それにしても、さすが松本！
加えて今日はご機嫌ですね。
彼女と楽しくお過ごしになったのでしょうね。
なのに、
「はい、松本が教えくれたので」
そう私が答えた途端に、
いつもの不機嫌モードになった。
あら、ごめんなさい。
せっかくの甘い時間を
私ごときが壊してしまいましたね。
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おはな(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、コメントありがとうございます。まだまだ翻弄される予定でいます。甘い、辛い、甘い、キツいと絶妙に繰り返してハマっていきます。抜け出せるはずもないですよね。次章もお越しくださいませね。 (2018年6月10日 16時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 楽しませて頂いてます。今回も辛いのと甘いの両方で攻められましたね。他の女性と親しくしてるところを見せられて、可愛い飴を貰うとか！どっちなの？ねえ、どっち？って首根っこ掴んで問いただしたい気分です。…、悲しい気持ち、分かります。本当に腹立たしいです。 (2018年6月9日 15時) (レス) id: 57325286d2 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - yuriyuriさん» yuriyuriさん、俺様作家をおちょくる大野さんをお届けしました。Ｊの毒舌も入ってます。彼らのあれこれを妄想するのは楽しい！この楽しみが思わぬ不慮の事故で奪われないよう願い続けます。コメントありがとうございました。 (2018年6月9日 15時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
yuriyuri(プロフ) - 素っ気ない大野さんも素敵ですね(*´∀｀*) 櫻井さんみたいなオーラのある人が居たら、自然と見ちゃいますよね笑笑 見るつもりは無くても、自然とそっちに目が向いてしまうって感じですよね！ イケメンが周りにいて羨ましいです笑 次の更新も楽しみにしてます！ (2018年6月6日 13時) (レス) id: 3bf3aab871 (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - 橘花さん» 橘花さん、まさに「ときめきと絶望」の両方を味わう展開です。彼女も辛くなってしまいました。さあ、どうしましょう。大人ですから、つまずくことがあってもすぐに軌道修正して、淡々とお仕事するんでしょう。この後もお付き合いくださいね。 (2018年6月5日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2018年5月26日 18時
