賢明な判断 ページ38
「あの、すみません。私、怒らせちゃったんですね。」
「ああ、怒ってはいないよ。ただ、話したことが伝わってないな、と。」
何を言えばいいのか、分からない。
ふと、優美が「櫻井先生だってありのままを受け止めてくれる大人の男性でしょう？」と言っていたことを思い出す。
「あの、櫻井先生から優しい言葉をたくさん頂いていることは分かります。
でも私、女性としてってなると、ちょっと、その、自信がなくて。
怖いんです。どうしても。」
俯いて、自分の手だけ見て。
「顔、上げて。」
先生に促されて、何とか頑張る。
先生が私を見てる。
大きな瞳。
んって、小さく頷いて
「一生懸命話してくれたね。ありがと。
今日のところは、ここまでにしようか。
この話は、またね。」
しばらく黙って天気予報を確かめていた先生が、
「うーん、どうしようかな。困った困った。」
と、ハンドルにもたれたままで言う。
明日の未明まで雪が降り続くそうで。
その後は、暖かくなるらしい。
当直明けでのここまでの疲れ具合、もしかしたらのチェーン規制での高速道路。
ゆっくり一般道で帰っても相当な時間がかかるし、雪には変わりない。
「今日、この後予定ある？」
と、聞かれた。
「いえ、何も。休むだけです。」
正直に答えた。
「じゃあさ、一泊する？」
・・・・・。
「あ、邪な気持ちじゃないです、念のため。
親が所有するマンションが近くにあってね、いくつか部屋もあるし。
泊まるには不自由しない程度にしてあるんだ。」
「あの・・・。」
「まあ、言いたいことは分かるんだけど、ね。」
「あの、私もご一緒するということでしょうか。」
「そりゃそうでしょう。何言ってるの。無理して帰るより安全かと思うよ。」
安全。
安全だと。
そういうこと。
「はい。分かります。賢明な判断ですよね。
私がお邪魔してもいいのなら、そうしましょうか。」
「うん、そうして。」
先生に無理をさせてはいけない。
不本意ながらも、お泊まりが決定。
ふうっと、大きく息を吐いた。
「ん？どうした？」
優しい声に戻っている。
でも苦しくって答えられない。
何の決心もなくお泊まりを決めるって、
やっぱり女だと思われてない証拠ですよね？
「何でもないです。」
少し笑って答えた。
「じゃあ、本気で積もる前に買い出しと夕食だな。
大きいコンビニがあるから。
簡単な着替えくらいなら大丈夫だと思うよ。」
ハンドルにもたれたまま、首を傾げて優しい声。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» コメント、ありがとうございます。先生の本気を何とか示せるようにがんばります。個人的にはグイグイとじわじわと、両方で来てもらえると嬉しいです。 (2016年7月10日 14時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - やっと！お泊り！「邪な気持ち」でいいから、先生、グイグイ来て〜！ (2016年7月10日 12時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ゆかりさん» 今日のワクワク学校では、二宮くんと櫻井くんの息がぴったり合って、最高のコントが見られました。ＷＳが楽しみです。チェックしてみてください。ご感想、ありがとうございました。 (2016年6月26日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月26日 9時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月25日 14時
