重ねた手 ページ36
東京からずっと快晴で。
目的の湖に着いた。
山並みが湖面に映っている。
澄んだ空の青が揺れている。
空気の冷たさも身体が喜んでる。
「ほんの数時間前、時間に追われて働いてたなんて、信じられないですね。」
「ね、全くの別世界だね。我ながら、良い選択だった。」
「他にも選択肢があったんですか？」
「うん、もっとベタに、混んでしょうがない夢の国に突入するとか、
海に行ってみるとか。色々と。」
「そんなに考えてくれたんですか？」
「まあね。お誘いした訳ですから、それなりに考えていました。何か？」
「うふふ。嬉しいです。すごく嬉しい。」
腕をからめてみる。
だって、一人の時に私を思い出してくれたってことですよね？
「あはは、素直だね。」
「はい、先生の教えなので。」
顔を見合わせて、ふふっと笑う。
今日も良く笑うなって先生が言って。
一旦腕を離して、歩き始めた。
んって、また手を差し出すから。
はいって、手を重ねる。
今度は指を絡めて。
私の手が小さいのに先生の指が長いから
手首近くまで覆われてしまって。
包まれている。
時々その指先がとんとんって軽くタッチするから
全身に響く。
もう、どうしよう。
櫻井先生は、そんな私の動揺に気付く訳もなく。
「ね、だから暖かい格好でって言った訳。」
普通に話している。
「はい、もこもこで来て良かったです。正解でした。
言われたとおりにして良かった。」
私もがんばる。
「うん、素直でよろしい。合格。」
「ふふ、何に合格したんですか、私。」
「え?何だろう。ま、いいじゃない、そこは。」
「気になりますよ。教えてください。」
「そうね、そのうちね。」
「あ、ごまかす気ですね。」
「ははは、ばれた？」
なんて、中身のない会話を続けて。
二人で思い切り深呼吸したり、
山の名前を教えてもらったり。
お散歩している間に、お昼時を過ぎていた。
「ちょっと寒いよね。温かい物を食べに行こう。」
「はい。お腹空いたの、ばれました？」
なんて。
車に戻って、少し戻るように走って。
連れて行かれたのは、ほうとうのお店。
「名物を食べると、旅行したって気になりますね。」
「だよね。そう考えてのチョイスです。」
得意気。ドヤ顔。ちょっと笑う。
かぼちゃが入ったほうとうを食べて温まった。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» コメント、ありがとうございます。先生の本気を何とか示せるようにがんばります。個人的にはグイグイとじわじわと、両方で来てもらえると嬉しいです。 (2016年7月10日 14時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - やっと！お泊り！「邪な気持ち」でいいから、先生、グイグイ来て〜！ (2016年7月10日 12時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ゆかりさん» 今日のワクワク学校では、二宮くんと櫻井くんの息がぴったり合って、最高のコントが見られました。ＷＳが楽しみです。チェックしてみてください。ご感想、ありがとうございました。 (2016年6月26日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月26日 9時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月25日 14時
