昔話とさすがの気遣い ページ34
「ちょっとまぶしいな。」
って、信号待ちの間に先生がサングラスをかけた。
見慣れない姿にときめく。
また一つ、櫻井先生を知った嬉しさ。
「ついさあ、仕事のことを話しそうになるよね。
星月先生、論文が佳境でしょ？」
「はい、そうなんですよ。
なので今日はしっかり息抜きしようと思って。」
「うん、そうして。息抜きできるように僕もがんばります。
だからここからは、仕事の話はＮＧでね。」
「はい、私もそれがいいです。」
「よし、決定。あのさ、いつもすごく良い返事をするよね。気付いてる？」
「え？そうですか？気にしてませんでしたけど。」
「僕、結構前から気に入ってるよ。」
照れてしまう。何も言えずにいたら、
「あはは、ごめん。話しにくくなるよね。悪かった。
そんな素直な反応すると思ってなかったよ。」
笑われた。
そこからは、話題を変えて、中学時代サッカー部だったことや天体観測が好きだったことを教えてくれた。
「サッカー部でピアノ弾けて、星が好きってモテ要素あり過ぎですね。」
と、呆れた。モテモテに慣れているんだ。
「共学だったけどさ、別にそんなモテなかったよ。」
「いいえ、嘘です。絶対モテました。」
「そりゃ、友達は男女問わずたくさんいたけど。」
「ほら、モテモテです。」
「じゃあ、君はどうだったの？
ボーイフレンドはいたの？
あ、女子校だったっけ。」
「はい。まあ、高校時代にはいましたけど。
あんまり良い思い出じゃないんです。」
「あ、ごめん。」
「いいえ、私こそ明るく話せなくてごめんなさい。」
「いいよ、気にしないで。
そろそろ昔話は終わりね。ちょっと休もう。」
高校生の私は、生まれて初めて本気の恋をして。
想いが純粋だった分だけ傷ついて。
絶望した。
とてもじゃないけど、微笑ましい思い出なんかじゃなく。
蘇る度にもう一度傷がつくような。
女子高校生の姿形で、女として生きた時間。
こんなキラキラした櫻井先生には、絶対に話せない。
認めたくないけど、トラウマ。
ほんのわずかな時間だと思うけど、
私の表情は、暗かったに違いない。
それも自覚している。
「疲れた？僕も。お腹、空いてない？」
上手に話を終えて、タイミング良く休憩にもっていくなんて。
気遣いが完璧。
こんな優しい人に、気取られてはいけない。
「ばれちゃいました？」
ふふって笑って見上げた。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» コメント、ありがとうございます。先生の本気を何とか示せるようにがんばります。個人的にはグイグイとじわじわと、両方で来てもらえると嬉しいです。 (2016年7月10日 14時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - やっと！お泊り！「邪な気持ち」でいいから、先生、グイグイ来て〜！ (2016年7月10日 12時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ゆかりさん» 今日のワクワク学校では、二宮くんと櫻井くんの息がぴったり合って、最高のコントが見られました。ＷＳが楽しみです。チェックしてみてください。ご感想、ありがとうございました。 (2016年6月26日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月26日 9時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月25日 14時
