直接対決 ページ30
平日。業務を終えて、医局の机に向かっていた。
２２時を過ぎたところで帰り仕度をする。
廊下に出ると美宝さんにすれ違う。
「お疲れ様。」
声をかけると一瞬、緊張が走る。
同期なのにほとんど話したことのない私達は、
そうとは言わず櫻井先生への気持ちを感じて、頑なになっている。
「星月さん、ちょうど良かった。
話したかったの。」
すらっとした長身で、目鼻立ちのはっきりとした美人。
私のような小さくてぽちゃっとしたタイプには、それだけで羨ましい。
身構える。
「私、櫻井先生のこと好きじゃないから。
狙ってたことはあったけど、女扱いされなかったし。
散々誘って食事して、お酒飲んでも一度も隙を見せてくれなかった。」
「嘘、言わないで。」
負けない。
「仲良さそうに二人でタクシーに乗ったのを見たわ。
いつも隣でお昼ご飯を食べてるのも知ってる。」
「そんなの、あなたと今井くんだって同じでしょう？」
キッと睨み合う。
美宝さんが、ふっと息を吐いて
「信じるかどうかは、あなたの勝手だけど。
私はもう好きな人がいるから、誤解されるのが嫌なの。
特にあなたみたいに異性に大切にされるのが当たり前ってタイプとは、関わりたくないのよ。」
あからさまに嫌われている。心外。
「とにかく櫻井先生とは何もありません。あなたとちがって。」
「何、それ。」
「見てれば分かるってこと。
黙ってニコニコしてれば男性から近寄ってくるって、変な自信持ってるとチャンスを失うわよ。」
「私、黙って待ってる訳じゃないわ。」
「そう？でもね、手に入らないのは本気で取りに行かないからよ。
後悔しないようにね。忠告しておく。」
「それは、どうもありがとう。」
にこりともせず、言ってみる。
ふっと笑った美宝さんは、
「あなた、ただのお嬢さんじゃないのね。
根性あるじゃない。面白い。」
もう一度、私の眼を見て
「勘違いしてたかも。」
そう言って歩いて行った。
医局の廊下で何を話してるんだろう。
みっともなかった。
ちょっと震えている。
それに素直に感情を表せてるのは、美宝さんの方。
彼女の忠告なんて要らないけど。
言われたことは、その通りだと思う。
美宝さんにきつく当たってしまったのは、痛い所を突かれたからで。
負けていたのは、私の方。
次の約束があるっていい気になっていた私を、本気で浅はかだと思った。
遠くから憧れのように好きだった頃と実は、何も変わってない。
こんな顔で櫻井先生に会えない。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» コメント、ありがとうございます。先生の本気を何とか示せるようにがんばります。個人的にはグイグイとじわじわと、両方で来てもらえると嬉しいです。 (2016年7月10日 14時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - やっと！お泊り！「邪な気持ち」でいいから、先生、グイグイ来て〜！ (2016年7月10日 12時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ゆかりさん» 今日のワクワク学校では、二宮くんと櫻井くんの息がぴったり合って、最高のコントが見られました。ＷＳが楽しみです。チェックしてみてください。ご感想、ありがとうございました。 (2016年6月26日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月26日 9時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月25日 14時
