甘い勘違いの代償 ページ2
私にとっては、甘い甘い、特別な時間だったのに。
夢のままでも大切にしておきたいのに。
僅かな願いを持って臨んだ今日のリスクマネジャー部会、全く櫻井先生と視線が合わない。
検討事項が多くて、確かに時間が足りない中ではあるけど。
雅紀さんは、当直で欠席だと聞いて、落胆。
逃げられない。居場所がない。
冷静にいくつかの意見を述べて、
現状を報告して、
会議が終わった。
櫻井先生は一番に立ち上がる。
どうして。
追いかける。
そんなに嫌がられてるとは思ってなかった。
せめて、後輩のままでいたい。
どうしたら良いのか、本当に分からなくなった。
私の何がそこまで嫌なんでしょうか、先生。
エレベーターホールと医局をつなぐ通路の間に、少し死角になっている所があって、そこに先生を見つけた。
追いかけて来たのは私なのに、逃げたくなる。
でも、このまま逃げたら二度と話しかけられなくなる気がする。怖い。
小さくなってしまう声で、
「あの、昨日はありがとうございました。おつりをお返ししますね。」
って、差し出した。気に入った柄の封筒に入れてある。
お礼にと先週のうちに用意しておいたチョコレート菓子の小箱と一緒に。
怖くてメッセージカードは入れられなかった。
壁にもたれてため息をついた先生がこちらを見る。
大きな目で私を見ている。
ほんの数秒間。
凍りつく。
「何か、昨日とまるで別人だな。」
って。何が？
「あの、どういうことでしょうか。まあ、白衣を着ていますが。」
「うん、そうね。いや。そうやって上手くかわすんだろうね。そうしてきたんだな、きっと。さすが天然。それともわざと？」
「先生、私をディスってます？私、そんなに怒らせるようなこと、したんでしょうか。」
「ああ、その強気、いいね。完璧。」
「もう。何なんですか。本当に分からないんですけど。」
「まあ、かわしてもらって良いです。失礼する。」
「あの、」
私の言葉を待たずに行ってしまう。
今まで見たことのない表情で、口調で。
先生、あんな不機嫌な顔をするんだって知らなかった。驚いた。
ただ、どうしてか昨日の様な絶望を感じてはいなくて。
先生の感情のそのままを見た気がする。
それは、近づけたような感覚もあって。
もしかして、先生の感情を乱すことができたのだとしたら、私、どうしよう、嬉しいです。
強くなるって、こういうことで合っているのか分からないけれど。
背中を見送って、踵を返した。
きっとまた、チャンスはある。
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おはな(プロフ) - らんまるさん» コメント、ありがとうございます。先生の本気を何とか示せるようにがんばります。個人的にはグイグイとじわじわと、両方で来てもらえると嬉しいです。 (2016年7月10日 14時) (
レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - やっと！お泊り！「邪な気持ち」でいいから、先生、グイグイ来て〜！ (2016年7月10日 12時) (レス) id: 5d10617f7a (このIDを非表示/違反報告)
おはな(プロフ) - ゆかりさん» 今日のワクワク学校では、二宮くんと櫻井くんの息がぴったり合って、最高のコントが見られました。ＷＳが楽しみです。チェックしてみてください。ご感想、ありがとうございました。 (2016年6月26日 23時) (レス) id: 4a84da09b3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ翔ちゃん大好き愛してる (2016年6月26日 9時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月25日 14時
