ご褒美プリン ページ10
食堂に着いて増田くんを探す。
すると
「だから、喰わなきゃ始まんないだろ。」
と、櫻井先生の声が聞こえた。
こんな喧噪の中でも聞き分けてしまう、
先生の声。
男性同士だと、ちょっと言葉が荒くなる所も
好きだって思ってしまう。
「あ、やっぱりA先生はアジフライだよね。
結構、好みが合うんだよ、気付いてる？」
って、櫻井先生が私のトレイを見て言う。
ああ、先生の隣は安田くんなんだ。
一つ離れた席に着く。
「そうですね、結構な確率で同じ物を食べてますよね。」
なんて、他人事のように
精一杯冷静に答える。
「それにさあ、色も好みが似てるでしょ。
A先生、赤が好きだよね？」
「ええ、好きです。
私、二人姉妹で、姉が青や緑色が好きだったものだから、
子供のころから自然と赤やピンクの物を選んでいて。
赤ってテンション上がりますもんね。」
と、また精一杯。
櫻井先生のレザーのＡ４ファイルやメモ帳が赤だって、
随分前から気が付いてた。
４色ボールペンのボディと聴診器を見せて
「気付くと揃っちゃいます。」
と、言うと
「分かるよ、自然とそうなるんだよなあ。」
同意してもらっただけで、今日は幸せ。
食べ始めたら、
すっと先生がいなくなる。
もう食べ終わったのかな。
するとすぐ戻ってきて
「好きだったよね。」
って、私のトレイにプリンを置いた。
部長が
「おっ、えこひいきか？」
なんて冷やかしてくる。
「まあ、そんなところですよ。
良くがんばったから、ですけどね。」
先生は余裕の表情。
ドヤ顔っていうのかな。
次の瞬間、私を見て優しい笑顔に。
うう、固まる。
先生しか見えなくなってしまう。
何も聞こえなくなる。息を飲む。
勘違いだって分かっていても。
身体の奥から指先まで
しびれるような、ときめき。
こんな感覚、初めて。
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智美(プロフ) - 最初の方のページはほとんど(私の姓)や(私の名)というふうになっていて読みにくいです。修正お願いしますm(_ _)mm(_ _)m (2019年2月10日 14時) (
レス) id: b9bab58b14 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり(プロフ) - ところどころお名前が唯になっています(;o;) (2017年7月3日 11時) (レス) id: 30427f3e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月7日 14時
