繋がった縁 ページ28
水曜日になった。
今井くんのことも気になってはいる、けど。
まだあの二人の姿が忘れられない。
もう二度と、
オレンジのボディのタクシーには乗りたくないとさえ思う。
ため息ばかりついている私に、病棟のナースが
「先生、幸せが逃げちゃいますよ。」
と、笑いかける。
ナースって前向きで強い人が多いな。
やっぱりお友達を作ろう。
夕方、検温の結果をカルテで確認していたら、
内科部長から声がかかった。
「A先生、
リスクマネジャー部会に出てくれないかな。
研修医の先生から一人出さなきゃならないんだ。」
「えっと、はい。是非、と思うのですが、
どのような活動になりますか。
準備は必要でしょうか。」
「毎月第四月曜日、１７時から１時間程度の会議でね。
３月までの任期になる。
そうそう、消化器内科の相葉先生とか
呼吸器内科の櫻井先生もメンバーだよ。
知ってるよね？」
月一で櫻井先生に会えるなんて。
嬉しいけど、簡単には浮上できない。
でも、仕事は引き受ける。
同期の中で、理由はどうあれ
私を選んで頂いたことは、素直にうれしい。
「はい、分かりました。
是非、勉強させてください。」
と、引き受けた。
切れかけた縁が繋がった。
これくらいのことで繋がったと思うのは、
少し大げさかな。
中学生みたいだって、
自分でも分かってる。
でも、なんでもいい、
わずかで良いから繋がっていたい。
スタートラインが見えてもいないのに。
見える見込みもないのに。
そんな現実から目を逸らして、
無理やり前を向くんだ。
前でも右でも左でもいい。
とにかく、下を向かない。
終わってない。
強くなるって、
こういうことで合っているのだろうか。
自信の無さから、全てが疑問形になっていて。
情けない。
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智美(プロフ) - 最初の方のページはほとんど(私の姓)や(私の名)というふうになっていて読みにくいです。修正お願いしますm(_ _)mm(_ _)m (2019年2月10日 14時) (
レス) id: b9bab58b14 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり(プロフ) - ところどころお名前が唯になっています(;o;) (2017年7月3日 11時) (レス) id: 30427f3e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おはな
| 作成日時：2016年6月7日 14時
