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ｶﾁｶﾁｶﾁ
リビングにある時計の秒針が時を刻む音だけが響く
沈黙が続いて彼此１０分
母｢…あのね、Aちゃん｣
彼女が口火を切った
母｢いつかは話さなきゃって思っとったんやけど、｣
なかなか言い出せなくてと続くような言い方だった
私は尚も下を向いて２人とは目を合わせなかった
母｢聞いて、くれる？｣
その問いかけに、私は小さく小さく頷いた
母｢…私達とAちゃんは、血が繋がってへんの｣
改めてそう言われると、胸が苦しくなる
痛い
母｢私は昔、結婚を心に決めた人がおってね｣
彼女は、その人との間に出来た子どもがいたと
妊娠がわかった時には彼女は大いに喜んだと
母｢でもね、彼は私の妊娠がわかった時
荷物をまとめて家を出て行った｣
他に女の人がいたらしい
彼女は完全に遊ばれていたのだと
でも子どもに罪はない
だから産んだ
しかし
母｢生まれた子どもを見る度にあの人のことを思い出してね｣
辛くて辛くて、そしてその子を養子に出したという
縁も切って
実の息子ともう二度と関わらないでいいように
血の繋がりさえも切ってしまったという
母｢その２年後、私はお父さんと結婚して
再び違う児童養護施設に向かった｣
そしてその時に、私と出会ったという
母｢私は、実の息子を捨てて血の繋がらない貴方と共に生きて行くことを決めた｣
本当に最低なことをした と、涙混じりに話す
母｢貴方の体育祭に行った時に、息子と同じ名前の子を見つけた｣
彼女は、児童養護施設から送られてきた息子の現在の写真を見て、言葉を失った
あの時娘と手を繋いでゴールした子が、私の実の息子だということに
娘と息子が、同級生だという事実に
するとその何日か後に、息子が家を訪ねてきた
そしてその時に酷いことを言ったと
娘に近づくな
言うな
母｢本当に、ごめんなさい｣
嗚咽混じりに私に謝罪する彼女の姿を一度顔を上げて見た
隣に座る彼は彼女の背中を摩っている
ごめんなさいごめんなさいと、何度も何度も謝った
そういえば、彼女の旧姓は"藤井"だった
私は理解した
全てを
Aちゃんとちゃん付けで呼ぶ意味も
私の生まれた時の写真が１枚も無いことも
葛西さんが私を知っているような素振りを見せたことも
そして
私は両親どちらにも似ていないということも
全てを知ってしまった今
これからどうすればよいのだろうか
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青緒(プロフ) - ひよりさん» 以前1話だけ出していたのですが、書き直しのため一度消しました。今試行錯誤して物語を考えていますので、待っていてもらえると嬉しいです。 (2018年9月22日 21時) (
レス) id: 46d7f2d059 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 番外編ってぷらいべったーにありますか？見つけられなかったのですが… (2018年9月17日 8時) (レス) id: 4d67448de1 (このIDを非表示/違反報告)
マル子(プロフ) - 占いツクールで見たいです！！ (2018年3月11日 0時) (レス) id: 690e0afeec (このIDを非表示/違反報告)
りゅーくん(プロフ) - 占いツクールで出して欲しいです！ (2018年3月10日 22時) (レス) id: 508361ca44 (このIDを非表示/違反報告)
れなぴ - 続きがみたいです！ (2018年1月3日 13時) (レス) id: 91fefebfab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青�� | 作成日時：2017年10月27日 20時
