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私と藤井くんを交互に見て
母｢あら、Aの彼氏？｣
その笑顔が怖い
目の奥は
決して笑ってはいない
そんな表情
A｢あ、彼氏じゃなくて、友…｣
母｢…汚いわね｣
A｢え…｣
膝がガクガク震える
気味の悪い笑顔に
吐き気がする
母｢親のいない家にのこのこ上がりこんで、一体何を考えてんのかしら｣
その言葉を藤井くんに投げかけた
藤｢あ、その…｣
母｢あなた、家族の方は？心配してるんじゃないの？｣
藤｢あ、僕父親おらへんくて、母も病気で入院してるんで｣
母｢あら、そうなの｣
母は藤井くんに歩み寄って
母｢可哀想なドブネズミさん｣
微笑みながら
卑劣な言葉を口から零した母
母｢もういいわ、早く帰ってちょうだい
この子と話をするから｣
冷たくそう言い放つ
母｢ちょっと来なさい｣
手首をｶﾞｼｯと力強く握られる
痛い
そのまま引きずられる
嫌だ
怖い
でもそれ以上に
A｢汚いのはどっちよ｣
許せない
A｢汚いのは、そっちでしょ｣
母｢なに？｣
歩く足を止める
A｢…な…して｣
母｢あ？｣
A｢離してよ！！｣
悪魔の手を力一杯振り払った
ｷｯと睨みつける
母｢あんた、いつからそんなに偉くなったの？｣
A｢藤井くんのこと、そんなふうに言わないでよ｣
息が上がる
A｢私のことはなんとでも言っていいから、藤井くんに酷いこと言わないで！！｣
藤井くんをドブネズミ呼ばわりしたのが
許せなかった
母｢いい加減にしろ！！｣
悪魔が大きく手を挙げた
殴られる
ｷﾞｭｯと目を瞑った
ﾊﾟﾝｯ
家の中に響き渡る
あれ
痛くない
ゆっくりと目を開けると
A｢ふじ…いくん？｣
私の前には藤井くんがいた
私を庇うようにして
立っていた
彼が私の代わりに殴られてしまった
どうしよう
母｢な、なんなのよあんた
そこどきなさ…｣
藤｢いい加減にするのは貴方の方やないんですか？｣
肩で息をする母に向かって
藤｢母親失格ですね｣
そう言い放つと
私の手首をｷﾞｭｯと掴んで
藤｢行こ｣
家から連れ出した
藤井くんの掴む手は
悪魔に掴まれた時とは違って
暖かくて
とても優しかった
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ちひろ(プロフ) - わたりゅかみさん» そう言ってもらえて嬉しいです！第二章、書き始めました宜しくお願いします (2017年9月3日 23時) (
レス) id: 46d7f2d059 (このIDを非表示/違反報告)
わたりゅかみ - 続き読みたいです！お願いです！ (2017年9月3日 20時) (レス) id: 64cb120b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青�� | 作成日時：2017年8月14日 18時
