蜜蜂と花《青》 (ページ39)

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体育祭から１週間が経った

案の定あの日の次の日は質問の嵐だった

流星とはどうなったのか
付き合っているのか

虫のようにまとわりついてきた

うざったすぎて、私は杏ちゃんに助けを求めるも
助けてくれたのはたったの２回

あとは私を遠目から見て面白そうにニヤニヤしていただけ

杏｢な～、ええ加減許してや～｣

『やだ』

１週間ずっとこんな調子だ

私は根に持つタイプなわけで、普通にいっしょに行動しているが
時折あの時の話を持ち掛けてしまう

杏｢重岡からも何か言ってやって｣

大毅に助けを求めている

そんな縋るような目で大毅を見る杏ちゃんを横目に、溜息をついて

重｢なぁA｣

くそ

こちらを見てニヤニヤしている彼女を薄目で一瞬見る

重｢今度の日曜日、空いとる？｣

杏｢はぁ！？｣

私よりも先に驚いて声を発したのは彼女

重｢うるっさいわ｣

杏｢あんた何言うてんの！？
私はそんなこと望んでへ…｣

重｢知らんわそんなん｣

失望した

そんなふうに見える
彼女が彼を見つめる顔は

改めて私の方へと向き直り

重｢どうかな？｣

頭の中で予定を思い返す

うん、何もなかったはず

『ええよ』

軽く返事をすると

重｢っしゃ！｣

とガッツポーズをしてみせる

そしてそのガッツポーズを隣にいる杏ちゃんにも憎たらしいくらいの笑顔で見せつけている

そんな大毅を鬱陶しがって手でしっしと追い払う真似をする杏ちゃん

こんな２人のやり取りが、私は本当にツボだ

今週の日曜日

この日は何がなんでも空けておくんだ

この前は流星優先してしまったけど

今回ばかりは絶対に約束を守るんだ

きっと、誕生日のお祝いをしてくれるのだろう

毎年そうだ

もし彼が誘ってきた暁には

私はきちんと断る

たとえ秘密をばらされようともね

気づいてはいけないこの気持ちにも、蓋をすることの出来るいい機会かもしれないし