蜜蜂と花《青》 (ページ36)

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救護テントで保健室の先生に足を見せる

先｢もーなんでこんななるまで放ったらかしとったん｣

怒られてしまった

『すみません』

と、正直に謝る

暫く足を冷やされて

湿布を貼り包帯でそれを巻いてもらった
取り敢えず大事には至っていないみたいだからよかった

先｢重岡くんに感謝せなあかんよ｣

『はい、ほんま大毅ありがとう』

重｢いやいや、俺は全然｣

先｢一応、帰ってからもちゃんとケアするんやで？｣

先生の忠告にｺｸﾘと頷いた

すると突然

ﾊﾟﾝｯと手を打ち鳴らし

先｢そうや！｣

と何かを思い出したかのようにこちらを見る

周りに私達以外誰もいないのを確認して

先｢藤井くんとは、どうなったん？｣

無邪気な子供のように興味津々な眼差しを私に向ける

『えっ』

先｢見てたわよ～藤井くんに連れてかれるとこ
で、どうなん？告白されたん？｣

物凄いｸﾞｲｸﾞｲくる

『いや、あのその別に…』

先｢嘘はつかなくてええんよ？
誰にも言わへんから｣

鬱陶しい

正直そう思った

何も無いって言いたいのに

きっと言ったところで信じてもらえないんだろうな

重｢先生｣

突然先程まで黙ったまま立っていた大毅が口を挟んだ

重｢こいつ、なんもなかったって言うてました｣

『…』

先｢え、ほんま…｣

重｢ほんまです
Aも困っちゃってるんで、もうええですか？｣

紳士のようだ

心にじんわりと温かいものが広がっていく感じがする

こんなにいい幼馴染みは、他にいないだろう

先生も真剣な表情の大毅の言葉に納得したのか

先｢そ、そうなのね｣

と、先程までの勢いはどうしたのか萎れた花のようになってしまった

『なんか、すみません』

自分でもなんで謝っているのかわからない

重｢ほら、いくで｣

私の前に差し伸べられた手を握り、救護テントを後にした