蜜蜂と花《青》 (ページ13)

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『大毅ごめん』

重｢え？｣

『やっぱり今日はいっしょ帰れへんわ』

重｢え、な、なんで…｣

｢はーい席について、授業始めるわよ｣

いいタイミングで先生がやって来たものだから、大毅はきっと頭に沢山の疑問符を浮かべたままに違いない

ていうか、私だって疑問符が沢山浮かんでいる

'放課後、教室におって'

こんな約束、普通だったら私は無視して大毅と帰っていただろう

でも、昨日の事があるから

もしこの手紙を無視したものなら───

その文字を眺めて、私は古典の時間ずっと考えていた

────

杏｢そうそう、聞いてや｣

『なにー？』

あっくんのことだろうか

杏｢藤井くん、煙草吸ってんねん｣

『はっ！』

彼女の言葉に思わず大声を発してしまった

杏｢まぁ驚くのも無理ないねんな～｣

『それ、いつの話？』

杏｢うーんと、抱かれて目が覚めたらベッドに腰掛けて吸うてた｣

トイレで手を洗いながら、周りの目を気にしながら少し小声で耳打ちされた

藤井流星、貴方ほんとになんなの？

なんで秘密な？なんて言ったんだろう

バリバリ女達の前で吸ってるのに

杏｢でもなんかさ、藤井くんなら許されるってかさ｣

その上違法行為を許されているだなんて

この世界は顔がよければ何しても許されるのか？

手の水飛沫をハンカチで拭う

こんなの、卑怯だ

秘密も何もあったもんじゃない

要するに、私が藤井流星の秘密をばらしたところで何も覆らない

知っている人も多いし、こうやっていとも簡単に許されてしまうのだから