蜜蜂と花《青》 (ページ2)

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花は、いつかは枯れてしまう

きっとそれは

本当の私が、皆にバレた時だと思う

重｢あ｣

突然立ち止まった大毅

『どうしたん？』

不思議に思って、大毅が見つめる視線の先に目をやると

嫌なものを見た

ドラマや映画以外で見たのは、初めてだった

すぐに目を逸らし、視線を別の場所へと向けた

私達と同じ高校の男女２人

人通りが少ないからといってこんな所で濃厚なキスなんて、しないでほしい

恥ずかしいぐらいのリップ音が私の耳に入ってくる

『大毅、あっちから行こ』

大毅の袖を掴んで踵を返す

重｢お、おう｣

さっきの光景が、目に焼き付いて離れない

再び吐き気が襲ってくる

重｢さっきの｣

隣を並んで歩く彼の口から

重｢藤井流星、やったな｣

"藤井流星"

その言葉が零れた

『うん』

学校一のプレイボーイ

彼を知らない人はいないと思う

噂によれば、今までに何人もの女を抱いてきたとか

でも決して

付き合ったりはしない

一度関係を持った女とは、二度と関わりを持たないのだとか

そんな彼に本気になった女達は

痛い目に遭う

寄って来るもの拒まずで

自由奔放な彼に騙される

私は彼を、密かに軽蔑している

重｢A｣

『なに？』

重｢気をつけろよ｣

『なにが？』

重｢藤井流星には、気をつけろよ｣

私の髪をﾜｼｬﾜｼｬと撫でた

顔は私から背けていて見えないが

耳が赤くなっているのはわかった

ほんと、シャイボーイ

『大丈夫やで』

夕焼けに赤く染められた街が

とても綺麗だった