蜜蜂と花《青》 (ページ1)

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もし仮に

私を人間以外の他の生き物に例えるとしたら

"花"

だと思う

別に自惚れているわけではない

自分のことを綺麗に見立てたいからというわけでもない

｢Aちゃんってほんまに可愛ええな～｣

｢宿題、見してくれへん？｣

｢カラオケ行こうや～！｣

皆の前では笑顔を作って

愛想よく

蜜を振り撒いている

私の周りには人が集まってくる

だから、皆を他の生き物に例えるとしたら

"虫"

私は知っている

どんなに綺麗な花にだって

それなりの毒を持っているものだってある

それに気付かず寄ってくる

自分の欲の為だけに

私はきっと、利用されているだけなんだと思う

何も言わないから

周りに合わせて

ただニコニコ笑っているだけだから

｢三島って、ほんまええやつだよな｣

｢綺麗で清楚で、おまけに優しい！｣

｢女子の憧れでもあるんやもん｣

馬鹿みたい

きっと皆

本当の私を知ったら

離れていくんじゃないかな

『うざったい…』

私に本当の友達なんて、存在するのだろうか

本当の私を知っているのは

？｢おーい、Aー！｣

この人だけだと思う

『大毅』

重｢先帰らんといてや～｣

幼い頃からずっといっしょにいる彼は

重｢まーた暗い顔しとるで｣

『いてっ』

ﾋﾟｼｯと私の額を指ではねる

屈託のない笑顔を私に向ける大毅

私は、この人さえいればいいと思っている

別に恋愛感情があるというわけではない

私の理解者は

彼だけでいい

そう、思って"いた"