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今日はちゃんの最後の仕事。
世間は明後日ちゃんがいなくなることを知らない。
退院した直後というのもあって仕事はあまり入っていなかったらしいけど、
今日は雑誌の撮影が入ることになった。
メンバー全員での。
ちゃんの死を知っている唯一の九人での。
「撮影ペアなんですが、皆さんでお決めいただいてもよろしいですかー？」
「わかりました！」
山田が元気よく返事をする。
メンバーとの仕事にちゃんは楽しそうだ。
「だいちゃん！一緒がいい。」
ぽつぽつとペアが決まる中ちゃんは俺の手を取った。
「俺もだよ」
そう言って手を握り返した。
ひんやりとしていた。
泣きそうになった。
撮影終了後。
山田に呼び出された。
「山田？どうした？」
「ばーか。わかんだろ。」
「…ちゃんのこと」
「…うん。」
ちゃんの心配をしているのは俺だけではない。
メンバーだって、心配で仕方がない。
泣いてくれたらいいんだ。
それなのにあんなに笑顔だから余計に心配になる。
「ほんとに、明後日なんだな。」
「まだ実感はないよ。」
「だいちゃんはいのおちゃんと仲良いもんな。」
「山田もだろ。」
「…うん。みんな、みんな一生に一番の仲間だよ。」
「…同じだよ。」
きっと山田は自分と同じ気持ちの人に打ち明けたかったんだと思う。
一人で抱え込むには重すぎる、仲間の死を。
：残り一日：
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作者名：りんこ | 作成日時：2018年7月30日 20時
