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「おい外守のおっさん!!いるかー!?」
勢いよくドアを開け、中に向かって松田が叫ぶ。しかし、それに対する返答は静まり返った空気だった。
どうやら、この場にはいないみたい。偶然か…それとも、私達が来る事を予想して逃げたのか。
ふと、何かを神妙に見つめる零が目に入る。彼の視線の先には、コードで繋がれた洗濯機があった。洗濯機にコードって…。どう考えても水でダメになるでしょ。
「何、このコード」
「さあ…」
「触んな!!そいつは爆弾だ!!」
突然大声を出した松田に肩を揺らしてびっくりする。今日二度目だよ。明日、松田の喉大丈夫かな。
爆弾という言葉に動揺している四人を他所に、威力や構造について話す松田。要約すると、商店街が吹っ飛んでこの場にいる私達もただじゃ済まないらしい。
お姉ちゃんに会えるのは良いけど、まだ復讐果たせてないし爆死は苦しそうで嫌だなぁ。
「とにかく、松田は爆弾の解体!ゼロと萩原と星野はこの周辺の住人の避難を!俺と諸伏は外守さんを捜してみる!!」
「待った!俺は今、この手だから細けぇ作業は無理だ」
「じゃあ爆弾どうするの?」
「それなら、萩原が俺の代わりを…」
「萩原、手けがしてたけど」
「はぁ!?」
萩原を指しながら伝えると、松田は「じゃあ俺が教えるからゼロが解体してくれ」と言った。零は責任を感じたのか、焦った様子を見せる。
「零ならできるでしょ。頑張って」
「…君も大概雑だな」
「雑とかじゃないよ。信頼してるから言ってるの」
そんな零を目にして、反射的にそう声をかけていた。零には冗談として受け取られちゃったけど、すぐに訂正すれば彼は松田と一緒に爆弾と向き合った。
「星野ちゃん行くよ!」
「今行く」
外で手招きをする萩原に慌てて着いて行く。
二人という事もあり、手分けして避難指示を出す事にした。
「それじゃあ、私はあっちね。終わったら萩原の方行くから」
「了解。何かあったらすぐに言ってね?星野ちゃん、何でも一人でやろうとするからさ」
「…分かってる」
この状況の所為か、珍しく真剣な眼差しで言う萩原に多少の警戒心を抱く。なんだか、お姉ちゃんや復讐の事を見透かされている気がして。
その意識から目を背けるように、私は駆け足で萩原の元から足早に去った。
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みさ。(プロフ) - この話最高!!応援してます。これからも頑張ってください! (6月19日 18時) (レス) @page30 id: 952cf5eb01 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください。応援してます! (6月11日 16時) (レス) @page22 id: d17fdc23ae (このIDを非表示/違反報告)
あ - 推しの子と名探偵コナンのクロスオーバー面白いです! 更新頑張ってください!! (6月6日 1時) (レス) @page18 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - 面白いです!更新待ってます!!!! (6月5日 22時) (レス) @page18 id: cde793218e (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - 最近推しの子にハマりました。最高のクロスオーバーですね!更新楽しみにしております!! (5月31日 21時) (レス) @page13 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りよ | 作成日時:2023年5月28日 13時