完璧で究極の復讐者【推しの子】【名探偵コナン】

14-虚実混交 ページ24

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隠してる事…。

景光が言っているのは、きっとお姉ちゃんの事だろう。実際には姉がいる事すら話してないのだが。
でも、言える訳ない。姉が元アイドルで、もう死んでしまっているなんて事。しかも、景光の事だから私が姉の仇を討つ為に警察官になったという事もバレてしまうかもしれない。そんなのだめだ。




「心当たりは、ないかな」

「…分かった。ごめんな、変な事聞いて」




景光は「じゃあ、教官に報告して来るから」と言い部屋を後にした。


彼が完全にこの場を去るのを見届けると、ポケットからそっとスマホを手に取り、鍵付きのフォルダを開いた。そこに映るのは、私と五年前まで隣にいたお姉ちゃんの姿。




「嘘はとびきりの愛なんだよ?」




そう。嘘はとびきりの愛。
私にとって、復讐のコマでしかない彼らに嘘をつく事は唯一の愛情表現。

ここで出会った人にはもちろん、零にも景光にも過去の事は話さない。話したとこで同情されるだけ。そんなの、絶対に嫌。




「アイ本人だけじゃなく、彼女に関わった人々の事を考えると胸が痛む」

「遺族が可哀想」




五年前、お姉ちゃんの死が世間に出回った時のネットの反応。
全部全部、第三者からの同情でしかない。あんたらにお姉ちゃんの何が分かるの。アイドルとしてのお姉ちゃんしか知らないくせに。

そんな事をされたら、私は本気で彼らの事を拒絶するだろう。着々と築き上げた信頼関係が全て振り出しに戻ってしまう。そんな無駄で面倒な事、絶対しない。




「…お姉ちゃん、私頑張るからね」




だから私は、今日も嘘をつく。
嘘が真実と結びつく事を信じて。

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