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「おい！待てって言ってるだろ！」
「…っ」
「無視かよ！！」
あれから校舎内を東奔西走し、何分間走り続けているのか分からなくなった頃。徐々に私と天パの距離は縮まり、ついに腕を掴まれてしまった。
足速…！これでも、全国行くくらいには私ってレベル高いはずなんだけど。
「昼休み終わるから、要件あるなら早くして」
額にじんわりと滲む汗を拭いつつ、目の前の天パに静かにそう言う。彼はジト目で私を見つめた後、ため息をついてポケットから何かを取り出した。それを見て、私は思わず目を見開く。
「それって…」
「何勘違いしてんのか知らねぇけど、これお前のだろ？返すよ」
「！」
投げられるのかと身構えたが、それはただの杞憂だったらしい。天パはペンを丁寧に私の手のひらに置いてくれた。
ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、意外と優しいのだろうか。…もう関わる事はないから気にする必要はないか。
一言お礼を述べ、そそくさとこの場を去ろうと、足を動かすと同時に手首を掴まれた。
「…今度は何？」
「何じゃねぇよ。行く場所が全く同じなのに別々に戻るのは不自然だろ。どうせなら一緒に戻ろうぜ」
絶対知り合いになっちゃうパターンじゃん。この人、どこか幼い雰囲気があるから断っても断らなくても面倒くさそうだし。もしかして私に逃げ道ってない？
黙っている事を都合良く解釈したのか、天パは私の手首を掴んだまま進み始めた。
「お前、名前は？」
「…星野A」
「じゃあ星野って呼ぶわ」と言って笑う天パ。その無邪気で明るい笑顔が、お姉ちゃんと重なってしまう。
……いや何で。お姉ちゃんとこの天パに共通点なんてないじゃん。お姉ちゃんの方がこの人より何億倍もかわいいし。
「あ、俺松田陣平」
「へぇ」
「…リアクション薄いな」
「逆にどんな反応すれば良いの」
息のような笑いを零しながら問うと、天パ…じゃなくて松田は数回短い頻度で瞬きをした。やっぱり、なんか幼いな、松田って。多分精神年齢も。
仕方ない。知り合いを増やす予定はなかったけど、将来警察官になるであろう人だ。零や景光とは違う部署に配属される可能性もある。情報網は広い方が良い。
「じゃあ松田。これからよろしく」
「半年間よろしくな。星野」
＿＿＿私の復讐の為のコマが、一つ増えた。
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みさ。(プロフ) - この話最高！！応援してます。これからも頑張ってください！ (6月19日 18時) (
レス) @page30 id: 952cf5eb01 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新頑張ってください。応援してます！ (6月11日 16時) (レス) @page22 id: d17fdc23ae (このIDを非表示/違反報告)
あ - 推しの子と名探偵コナンのクロスオーバー面白いです！ 更新頑張ってください!! (6月6日 1時) (レス) @page18 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - 面白いです！更新待ってます！！！！ (6月5日 22時) (レス) @page18 id: cde793218e (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - 最近推しの子にハマりました。最高のクロスオーバーですね！更新楽しみにしております！！ (5月31日 21時) (レス) @page13 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りよ | 作成日時：2023年5月28日 13時
