35-暁の裏には ページ19
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仕事が終わり、いつもより早く警視庁を後にする。早く終わったというより、終わらせたの方が正しいのかもしれない。
その理由は、ある人と食事の約束をしてるから。
今ガチの収録も残り二、三回といったとこだろう。私が動くには、このタイミングがジャストだ。そうすれば、あとは彼女に任せれば良い。
「こんばんは。黒川あかねさん」
「っ、お久しぶりです！」
店内で私を待っていたのは黒川あかね。彼女こそが、今日食事をする人物であり、これからの私の計画への影響を左右する人物でもある。
実は、彼女には警察署で会った時にこっそり名刺を渡したのだ。「警察官だから何かあったら連絡して」という言葉を添えて。
だから、今日の食事の誘いも快く承諾してくれた。
私が見つけた途端、勢いよく礼をする辺りかなり礼儀正しそう。まあ、役者なんだから当たり前といえばそうか。
彼女が私を警戒しないよう、細心の注意を払いながら微笑んで話を始める。
「それで、今日はあかねさんに話したい事があって食事に誘ったの」
「話したい事…？」
「ああ、別に深刻な話じゃないよ。頼みたい事って感じ」
不安そうな顔をした黒川あかねに怪しまれないよう、そっと訂正する。顔色が明るくなったから、もう不審がられる事はないはず。
確信を持ち、その喜びが滲み出ないように言葉を紡ぐ。
「アクア、昔ちょっと色々あってあんなキャラになっちゃったんだ。それで、今ガチをきっかけに、少しでも前に進めたら良いと思ったんだけど…なんか、まだ素の感じじゃなくてさ」
「確かに…ちょっと堅い気がします」
“親戚を思う優しい女性”を演じると、黒川あかねは何の疑問も持たずに共感してくれた。計画通り過ぎて笑いが込み上げてきそうだ。
「せっかく恋愛リアリティーショーに出てるんだから、もっと学生らしい事して欲しいの。…そこで、あかねさんにお願いがあるんだけど」
「私にできる事なら何でも言ってください」
「＿＿＿アクアの心の拠り所になった欲しい」
不思議そうに首を傾げる黒川あかね。
彼女がそう思ってるのを利用し、「ちょっと寄り添うだけでも良いんだ」「アクアが安心できるならそれで良いから」と頼む。拒否できないよう、着実に。
黒川あかねは、少し考えた後力強く言った。
「…私にできるか、確証はないけどやってみます！」
その言葉を聞き、私はそっと不敵に笑った。
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ソーダ愛す - 私の望んでいたクロスオーバーが読めるなんて...！更新楽しみにしてます！！ (12月10日 0時) (
レス) id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
駐車場 - 本当にすごいですなんでこんなの思いつくんですか天才ですか？なんかもう色々と頑張ってほしいです、更新待ってます！ (10月25日 19時) (レス) @page34 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
さふゆわ - うわぁぁぁ！続きが気になるぅ！ (9月4日 21時) (レス) @page26 id: cde793218e (このIDを非表示/違反報告)
Ama - めっちゃ面白いですー！応援してます。 (8月7日 19時) (レス) @page19 id: 7e4a5b7e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りよ | 作成日時：2023年7月14日 19時
