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09-影でしてきた努力 ページ17






冴ちゃんと会ってから数か月後。寒さはまだ残るものの、そこからは暖かな春が顔を覗かせていた。




「あー、うちらも受験生だよ〜」

「この前受験して高校入学したばっかのはずなのに。時間経つの早過ぎ」

「ね。そろそろ進路も固めていかないと」

「Aは良いよね〜。頭良いしスポーツもできるから指定校推薦狙えるんじゃない?」

「あはは…そうだと良いな」




友人からの皮肉が籠った一言に心が削られる。
昔からあるんだよな、こういうの。慣れていないと言えば嘘になるけど、それでも多少は傷つくものだ。


冴ちゃんと凛ちゃんがサッカーで才能を開花させてから、本当は必死だった。無意識なのだろうが、親族はそんな二人を褒め讃え続けた。そう、二人だけを。
それが嫌で仕方なくて、聞いてもない罵声すら恐れるようになった。

だから、それが現実にならないように死ぬ気で努力した。勉強はいつもトップで高校は首席で合格し、スポーツは運動部に入っていないのに学年でもトップレベルまで成り上がり、その他の芸大科目も毎回賞を取るくらいにはできるようにした。




「(まさか、大好きな冴ちゃんと凛ちゃんが足枷になるとはなぁ)」




まあ、本来なら私はここには存在しない、存在してはいけない人物なんだから、このくらいのペナルティがあるのは当然だ。
ていうか、好きなマンガの世界に転生しただけじゃなく、推しの姉になれたんだし。なかったらおかしい。


とにかく、そんな事があっても私は二人の事が大好きなのに変わりはない。だって、あれは私のただの空想だから。二人は全くもって関係ない。

二人と言えば、凛ちゃんのヤンデレ度が原作より高めな気がするのと、冴ちゃんがヤンデレ化しているのがほんとに謎。
んー、私が現れた事で何か心に負担がかかっちゃったのかな。冴ちゃんは私が誘拐されかけた事とか?でも過保護と呼ぶにはしっくりこないし、ジャンルも違う気がする。凛ちゃんは…単純に冴ちゃんの代わりの存在として私を扱っていて、ちょーっと愛が重くなっちゃった的な感じだよね。うん、きっとそう。


そういえば、時系列的にあと八か月程度で凛ちゃんはブルーロックへ行ってしまうはずだ。冴ちゃんだけじゃなくて凛ちゃんも家からいなくなっちゃうのか。なんか寂しいな。




「(でも姉離れの良い機会になるか)」




この時の私は、まだ何も知らなかった。凛ちゃんからの思いが、冴ちゃんの代わりなんてものじゃ計りしれないという事に。

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Edisa(プロフ) - 続き見たいです! (4月8日 0時) (レス) @page24 id: 7c18e46756 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる!!更新楽しみに待ってます! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ!いい!私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです! (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!大好きな作品なのでずっと待ってます!!無理しない程度に頑張って下さい! (2023年4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りよ | 作成日時:2023年3月27日 16時

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