38 、ー過去編ー お留守番 ページ3
あかあさんとおとおさんは仕事
今日も同じことをくりかえす
また、同じことがはじまる
ただ違うこと、と云えば今日はパーティがあると云うことくらいや……
"嫌やな"
雫「いっしょにあそぼ!」
「いいよ」
雫と遊んでいるとあっと云う間にお昼になった
柚月が作っておいた昼食を二人で食べた
その後は読書したり、勉強していた
雫「ダーイブ!!」
雫がAの背中に飛び込んできた
「しずく。あぶないから、これはやっちゃいけんことなんや。わかった?」
雫「ごめんなさい」
雫はスカートの端をギュッと握り、今にも泣き出しそうな顔をした
Aは雫の頭を撫でた
「これからは気をつけるんよ」
雫は「うん」と頷くとAの背中に凭れ掛かった
二人は時折言葉を交わらせながら其々の事をしていた
此れがAと雫のお留守番だ
Aは僅か三歳にして自分の立場が、未来が、わかっていた
Aが京都弁で話すのは、きっと自分と雫は違うのだと、周りが気がつく様にだろう
Aが何時も笑っているのは、きっと誰にも心配を掛けたくないから、笑っていて欲しいからだろう
Aのその考えは家族にも周りにも、誰にも伝わっていなかった
Aは伝わらない事で、気づかれなかった事でどれだけ苦しんだのだろう……
其の重荷が、孤独が、Aには重かった事は未来を見れば一目瞭然だ
39 、ー過去編ー パーティ→←37 、ー過去編ー 長女はドジ
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作者名:yugi 0434 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/profile
作成日時:2019年1月23日 23時