バグ補正しないと死ぬってマジですか。 (ページ10)

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次々と破壊されていく仮想敵(ヴィラン)を見て焦る爆豪。
彼とは離れた方がいいな、試験に落ちられると原作が狂うぞ。私はその場に留まることをやめて走り出す。

爆豪も私の近くにいるのはマズイと思ったのだろう。その場を離れても追っては来なかった。

寧ろ逆方向に進んで行ったね。

「(さっきの仮想敵(ヴィラン)達の破壊で多分40ポイントくらい…？)」

入試説明にはなかったが、敵(ヴィラン)ポイントの他に同じ受験者を助けて獲得できる救助活動(レスキュー)ポイントがある。

しかしそれは審査制であり、今この場で何ポイントが入ったのかは確認することができない。

ならば積極的に敵(ヴィラン)ポイントを集めた方が効率がいいだろう。
そう考えてひたすら仮想敵(ヴィラン)を倒していく。

制限時間は10分。そして残りは約6分だ。

「──ぉおお！？なんか私の他にも合格しそうな子！？」

「！」

移動しようと思い振り返れば、死角から少女が登場した。

「あっ待ってまてちょおおお！？」

地面をスケートリンクの様に滑る個性だろうか。彼女は私の目の前を勢いよく通過し、そのまま壁に追突した。
面倒ごとが起きそうなのでスルーしよう。

「いったたた……ってあああ待って行かないで救助活動(レスキュー)ポイント稼ぐ気はないぃぃぃみたいだね！！！」

「(……あの子、救助活動(レスキュー)ポイントの存在を知ってる？)」

試験中なのでそのままにして来てしまったが、私は彼女の発言に引っ掛かりを覚えていた。
私以外にも合格しそう、とは一体どういう意味なのか。

そういえば今年のヒーロー科の定員が、推薦入学者を除いて20名に増えていた気がする。

原作では定員が18名だったことから、本来ヒーロー科として登場しない人物がA組とB組2クラス合わせて4名所属することになるのだ。

「(とすると彼女は……私と同じ(・・・・)可能性が高い)」

試験内容は口外禁止の為、在学生から救助活動(レスキュー)ポイントの存在を知った可能性は無いことはないが低いだろう。
先ほどの発言も加えれば、答えは限られる。

彼女は異世界人だ。