６ ｜入試当日 ページ7
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「(ちょっと早く来すぎたかな)」
早々に時は流れ入試当日、私は早めに家を出て試験会場に来ていた。受付には私以外の受験生が見当たらない。大津も置いて来た為1人だ。
少し退屈だなと思いながら受付を済ませて会場へ向かおうとした時、知っている影を見つけた。
オールマイトである。
「(彼、確か6時くらいまで主人公と一緒に居なかったか？)」
萎んだひょろりとした姿でコソコソしている様子はまるで不審者だ。心配症だな、主人公はまだ来ないと思うぞ。
私は彼の秘密を知らない設定なので、ここは無視するのが正解だろう。そう思って再び試験会場へと向かった。
「──A！置いてっちゃうなんて酷いなお前！？」
「うるさい、別に試験日まで一緒に行動することないでしょ。恋人じゃあるまいし」
ブーブー言う大津は放っておいて、私は今日の実技試験のことを考える。
私の個性なら恐らく問題なく受かるだろうが、爆豪と同じグループに配属された場合、間違いなく邪魔をされる。
心配なのは直接的な攻撃じゃなくて、ポイントの横取りの方だ。
それならいきなり繰り出されるスタートの合図をよく聞いて誰よりも速く駆け出し、爆豪からなるべく離れた場所でポイントを稼ごうか。そう上手くいくとも思えないけど。
悶々と考えていれば、大津にトントンと肩を叩かれる。その直後。
「今日は俺のライヴにようこそー！！！エヴィバディセイヘイ！！！」
「ヨーコソーーー！！！」
「……いえーーい」
実技試験の説明が始まるよという合図だったようだ。
壇上からの特大ボイスに元気よく返す大津に吊られて声を出すと、少々嬉しそうな声が返ってくる。
「センキューそこの男女リスナー！！！実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ！！アーユーレディ！？」
「YEAHH！！！」
「いぇあーー……」
皆さんご存知、プロヒーローのプレゼントマイクだ。ラジオで自分の番組を持つくらいには人気のヒーロー。
雄英の講師はプロヒーローで構成されており、エリートなこの学校には優秀なヒーローたちが集められているのである。
実技試験の簡単な概要を説明しよう。指定された演習会場で、10分の間に
首席で合格した爆豪の得点は70ポイント後半のだった筈だから、そこらを目指して頑張ろうと思う。
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作成日時：2023年3月17日 21時
