バグ補正しないと死ぬってマジですか。 (ページ1)

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１　　｜個性:RPG ページ1

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　4歳。個性が発現したと同時に、その文章は私の目の前に浮かび上がった。
　母にその事を報告すれば、血相変えて父を呼びに行っていたのを覚えている。

「A、その文字を見たままこの紙に書いてごらん」

　当時幼く漢字が読めなかった私は、内容を両親に伝えることが出来なかった。いつも穏やかな父が心なしか硬い表情をしていて……私はそれを今でも少し怖く思う。

　個性とは異能。ある日発光する赤子が生まれたというニュースを起点とし、各地で異能を発現させる人物が後を立たなくなった。いつしかその"超常"は"日常"と化していき、現在に至る。

　個性は遺伝し、父親か母親、または両方から受け継ぐ。時に何の個性も発現しないこともある、人はそれを"無個性"と呼んだ。

　私に遺伝したのは父の個性"RPG"。詳細は後に語られるが、簡単に説明するとレベルが上がるにつれて攻撃魔法や防御魔法、治癒魔法などが使えるようになるかなり強い個性だ。
　だけどこの個性には致命的な欠点がある。個性が発現した1人につき1つ課せられるミッション、"即死トラップ"だ。

　ミッションをクリアできなければ、その場で死亡。ミッションの難易度が高いほどレベルが上がりやすく、上限も引き上がっていく。

　私のミッションはとても曖昧な言葉で説明されていて、家族総出で必死に調べたが中学3年になった今でも何のことを指しているのか分かっていない。今の今までトラップを踏んでいないのが幸いというかなんというか。
　そして表示された文の隅に書いてあったのはヒント。雄英高校のヒーロー科に進学することが解決の糸口だという。

　さあ、いつ死ぬのかも分からないこの個性に怯えながら、私はどう生きようか。