拒絶 ページ3
私は肘や頰についた土を手で拭って、体操服についた土も手ではたいた。
ジワジワと血がにじんでくる。
「だ、大丈夫！？Aちゃん！ボロボロやん…………！」
駆け付けた麗日さんが心配そうに声をかけてくれる。
『うん。ちょっと、転んじゃって………』
私は麗日さんと目を合わせることが出来なかった。
自分にあまりの力の無さに落ち込んでいたから。
私は入学初日辺りから、どうしても推薦入学者の2人に勝ちたいと、闘志を燃やしてきた。
他のみんなにも追い越されないように必死に頑張ってきたつもりだった。
だから戦闘訓練で八百万さんに勝ったとき、すごく嬉しかった。
自分の力でも、努力さえすれば推薦入学者に勝てるんだって思ったけど、それは錯覚だったようだ。
八百万さんは分からないけど、轟さんは私に敵視を抱く気なんて一切無くて、ただ私が一方的に闘志を燃やしていただけ。
そのことを考えると、自分があまりにも惨めに感じてしまった。
「………そっか。早く保健室行ったほうがええよ！」
そう言ってから、麗日さんは私の前を立ち去る。
きっと、気まづかったんだろうな。
心配してくれたのにもかかわらず、素っ気ない返事をして、冷たい態度をとってしまった。
こういうの、八つ当たりって言うんだよね。
私……………最低だ。
なんか自分を見失っているような気がする。
落ち着け私。
取り敢えずは２種目めに進めると思う……。
また次、頑張ればいいさ。
「筋金」
後ろから今1番話しかけてきてほしくない轟さんが来た。
「さっき、お前の足凍らせた」
私の足にはまだ少し氷が残っていた。
靴と体操服の上だけを凍らされていたが、一部霜焼けになっている。
「今溶かすから、足貸せ」
そう言って、彼は屈んで私の足の氷を溶かそうとしてくれたけど、私は拒んだ。
轟さんが足に触れようとした瞬間、急いで後ずさりする。
『いい。新しい体操服と靴つかうから』
「でも…………」
『気にしないで』
早くその場から逃げたくて、走って保健室に行かう途中、後ろから声をかけられる。
「悪い。やりすぎた＿＿＿＿」
その言葉を聞いた時、足が鉛のように重くなった。
轟さんを見るだけで、自分の力の無さを見せつけられてる気がして早く逃げたかったのに、そんな言葉をかけられたら＿＿＿＿。
だって、仲良しごっこじゃないんでしょ？
真剣勝負なのに『やりすぎた』て何？
私は………ただ貴方に見て欲しくて……。
きっと自分は轟さんのことを認めたくないのだ。プライドが邪魔をする。
私は無言でその場を去った。
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こはる(プロフ) - 黒いかりん糖さん» ええ！？ありがとうございます！？でもこの小説、結構泣かれる方いるんですよね。嬉しいです！インターン編でも泣く要素あるのでそちらも是非落涙してください！笑 (2019年1月5日 12時) (
レス) id: bae9d6fbe7 (このIDを非表示/違反報告)
黒いかりん糖 - 小説で初めて泣きました(泣) (2019年1月5日 2時) (レス) id: 7d01dbf670 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - HARUNAさん» ありがとうございます！嬉しいです！！更新頑張ります！！！！ (2018年7月10日 20時) (レス) id: c6152575f0 (このIDを非表示/違反報告)
HARUNA - 更新楽しみにしてます！頑張ってください！！！！！！！ (2018年7月10日 18時) (レス) id: c6018d0b79 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - よしつねさん» ありがとうございます！面白いだなんて言って貰って嬉しいです！これからも面白い作品になるよう頑張ります！ (2018年7月9日 13時) (レス) id: c6152575f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こはる | 作成日時：2018年7月8日 18時
