二人の人間: NO side ページ10
NO side
黒い髪に白い柔らかな肌の少年はまるで道端の花を愛でるような笑顔で自分の無価値さを語る
フードを被った赤目の青年は、ただその愛らしい少年の、見た目に予想もつかない立場にひっそりと息を詰めた。
同時に人懐こい少年に疑念さえ抱いた。
赤目の青年は問うた。
自分の立場を、自身の親を、呪うことはないのかと。
その身を嘆くことは無いのかと。
黒髪の少年は大きな瞳をぱちぱちと震わせ、また笑顔で語る。
ーー広い世界を本で読んだのだと、
自分と同い年で働く子。
大好きな親に暴力を振るわれる子。
両親のいない子。
自分と同じ歳まで生きられない子。
いろんな人達がこの世界にはいるのを知っていると言った。
そして、自分には親がいると。
私の大好きな親がいる。だから、私は自分の置かれた環境を嘆いたことは無いと。
今、こうして青年と話すことが、この瞬間がとても楽しいのだと。
赤目の青年は目を大きく見開いた。
ーーしかし、と少年は続けた。
はじめて見せる瞳の陰り。
愛する人がいる。自分を一番に愛してくれる人が居るのに、その人とは決して結ばれることは無い。
私の親は、少し可哀想だと呟いた。
赤目の青年は言った。それこそが馬鹿馬鹿しいと。
立ち上がった青年は公園の出口に向けて歩き出した。
少し離れた所で振り返り、口を開いた。
暇があれば此処に来る。
その言葉に少年は頬を染め、形のいい眉を下げて今日一番の笑顔で笑った。
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ジル(プロフ) - 紅葉さん» 訂正コメほんっとうにありがとうございます！！助かりました（ ; ; ） (2019年2月6日 11時) (
レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 満さん» 感が鋭い‥続編で出しましたが、ボルツです！皆さんとても宝石にお詳しい‥！ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 童話さん» コメありがとうございます！この個性だとバンバン悪用できそうですもんね笑 使い方によって良いものにも悪いものにもなる設定が大好きなんです‥ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - カステラさん» 宝石の国は見たことがないのですが私も今凄く気になってます‥轟くんいいですよね、天然っぽいところがまた‥！ (2019年2月6日 11時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
ジル(プロフ) - 加藤さん» 誕生石は月別と日別があるようです！私もこれを書き始めて勉強したのですが、自分の誕生石とか調べるの楽しいですよ！ (2019年2月6日 10時) (レス) id: 4811f67d94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジル | 作成日時：2018年12月3日 23時
