交際秘密にしてます (ページ8)

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mgr side

Aに出会ったのは、デビューしてすぐの
音楽番組だった。

楽屋にメンバー9人が揃って、
じゃあ挨拶行くかーと俺がドアを開けた時、
ゴンッと鈍い音がした。

「えっ」

隙間から覗くと頭を押さえてる女の子がいて、
それがAだった。

「すいません！…大丈夫ですか？」

『痛っー、あ、大丈夫です。すいません、なんか」

頭を押さえつつ顔を上げたのは、
めちゃくちゃ可愛い子で、
うわ、やっちまったーと思ったら、
後ろでしょっぴーのうわっ！が聞こえた。

渡「もしかして、桂Aさん、ですか？」

『あ、そうです。はじめまして。今日はよろしくお願いします』

佐「あーっ、あの、カラオケバトルで優勝して、CDデビューした方だ！」

宮「あぁ、翔太が好きな」

岩「いっつも、寝る前に聴いてます」

深「お前も聞いてんのかよ」

ラ「ていうか、かなり大きな音しましたけど、大丈夫ですか？ゴンッて」

『あ、大丈夫です。…ちょっと痛いけど』

「すいません」

『いえいえ。なんか、足止めしてしまったみたいで、
ごめんなさい。私、これで失礼します』

「すいませんでした」『いえ、こちらこそ』という
会話をもう何回かして、Aは去っていった。

深「可愛いかったな」

渡「俺、もうちょい喋りたかった」

佐「お前、やったな笑笑」

「まじ、最悪だよ」

それから、
俺はドアを開けるのにビクビクするようになった。

Aと仲良くなって、恋するのは、
もう少し先の話。