魔法をかけて (ページ36)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:30,093 hit

36 ページ36

ヌナに会ったあとに送ったメールには、夜中近くにようやく既読がついた。

「返事遅くなってごめんね、泊まっているホテルは、〇〇〇〇です」

よし、出発！
俺、もう、2時間も前から車に乗って準備してたから、即出発！
すぐに行こ！

ホテルに着いて、ヌナの部屋まで走った。
そして、はやる気持ちそのままに、ドアをノックした。

「え？早…」

部屋のドアを開けながら、ヌナがビックリした顔で出迎えてくれた。
俺だけを見てるヌナ。
会いたかった！

「チャニョルくん、わたしまだ、髪乾かせてないし、部屋の中も全然片付いてなくて…きゃ！」

俺はヌナの話をさえぎって、ぎゅううううっっとヌナを抱きしめた。
やっと2人きりで会えた！

「い…痛いよ、チャニョルくん…」

ヌナの言葉なんか聞いていられない。
そのまま、ヌナをしっかり抱きしめて、ソファーに優しく押し倒した。

「ちょっと、チャニョルくん…！」

俺は下になったヌナを見つめ、髪を撫でながら、たくさんのキスを落とす。
ヌナ、身をよじって抵抗してるけど、俺の力にかなうわけないじゃん。
がむしゃらに抱きしめてキスをしてしばらくして、ふと我に返った。

あれ？
俺ってば、また、ヌナのペースも考えずに…
でも、もうさんざんキスしちゃったけど…ヌナは？
俺は一旦キスをやめて、ヌナの上体を起こしてやった。

「チャニョルくんっ！」

時はすでに遅かった。
ヌナはぷんぷん怒りながら、涙目で俺を見た。

CY 「ごめん…でも、俺…」

「ビックリしたじゃん！もう！」

そんなに怒らなくっても…

「チャニョルくん、背が高いから急にこられると怖くて…ハヤトもだけど…」

また…ハヤト？
今の今まで謝ろうと思ってたのに、俺の中の何かがはじけた。

CY 「ハヤトハヤトハヤト…俺の前でハヤトの名前出さないで」

「え…？」

CY 「俺、ヌナより年下だけど、ヌナのことすごく愛してるし、守りたいって思ってる！なのに、いつもハヤトを通して俺を見てない？俺、弟じゃないから！」

「チャニョルくん…」

CY 「せっかく会えたのに、なんかすごく残念だよ！」

「わたし、そんなつもりじゃ…」

ヌナの濡れた瞳がゆれて…
ああ、でも、それもダメなんだってば！
困った顔をしてもヌナは可愛いから。