魔法をかけて (ページ21)

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なんの作戦も浮かばなかったけど、俺は日本に来てしまった。
今日はCBXコンの1週間前で、2泊3日の滞在の予定。
ヒョンには内緒で来日して、そして一旦韓国に戻り、またセフンと一緒に来日する。

彼女の足の具合いはどうかを確かめるのが今回の来日の目的だ、と俺は言い切る。
だって彼女の足の骨折は、俺のせいだから。

彼女からもらった名刺を頼りに、会社まで来た。
姿だけでも見て、元気かどうかだけ確認して、ホテルに戻ろう。

～～

「ちゃ…にょるくん？」

いいかげん、ものかげに隠れて彼女を待ち伏せするのもしんどくなって、コンビニに入ったら、女性に声をかけられた。

「どうしたの？日本に来てたんだ」

この女性、だれ？
俺のファンかな？
でも、「チャニョルくん」ってふつーの顔して呼ぶなんてファンじゃない。

ん？待てよ？

黒い髪をひとつにまとめて、華奢で、目が綺麗で肌が綺麗な人って…俺が探してたエリヌナ？

CY 「…もしかして、エリヌナ？」

「そうだよぉ！やだ！忘れちゃってた？」

ええっと…

メガネ外すと綺麗な人だってわかってたはずだけど、なんかやっぱりすごく綺麗だ。

こないだ、ソウルにいたときより、ずいぶん洗練された気がする。

あの時、1週間一緒にいたのに、今、俺、彼女ってわからなかった。

CY 「ど、どうして？俺、わかんなかった…」

「メガネからコンタクトに変えたの。だから少し雰囲気変わってみえたのかな…」

少し頬を赤らめて話す彼女は、やっぱり綺麗だ。

「あの時、チャニョルくんに勧められて使い始めたんだよ。すごく楽だし、よく見えるし、もっと早く使えばよかった」

CY 「…つけ外しも、もう大丈夫？」

「ん、まだ外すのは苦手だけど、前よりずいぶん早くなったよ笑」

俺、今、どんな顔してんだろ。

彼女の風貌や雰囲気に正直のまれてるけど、以前会ったときの頼りなくて野暮ったい彼女とあまりにも違っていることに、驚きを隠せない。
凛として、イキイキしてて、まぶしい…

「チャニョルくん、プライベートで来たの？お仕事？」

CY 「あ、ぷ、ぷらいべーと、で…」

「遊ぶ予定とか、今夜、誰かと約束あるの？」

CY 「いや、別に、なんも…」

その時、ヒソヒソ声が聞こえ、スマホで写真を撮られていることに気づいた。