形勢逆転 ページ13
沖田さんが私の目の前にいる。必然的に視界で揺れる美しい髪。どれだけ眺めても全く見飽きることがない。
「やはり素敵ですなぁ・・」
「先に聞いとくが、お前無職か」
「へ？」
コーヒーをすする沖田さんは、怪訝そうな顔つきで
私に問うた。突然取り調べが始まってしまった。
さすが警察！常日頃から厳戒態勢。
まあ大前提に私は怪しい者じゃないんだけども。
「やだなあ、無職なわけないでしょ！」
「ほぉ、真っ当に働いてるってんのかィ
じゃ、一応旦那よかマシな生き物ってわけだな」
「坂田さんより下の生き物なんて、そうそういませんよアハハ」
「・・ひでェ言われようだな」
先に貶したのは沖田さんでは？というシンプルな
疑問は置いといて。
「何の仕事してんだ」と続けざまにきた質問に
背筋が伸びる。この人も少しは私に興味を持って
くれたということだ。嬉しさ極まりない。
ふふふ、と笑みをこぼす。
「えぇー？何だと思いますぅ？」
「俺にはテメェに出来そうな職に心当たりがねェから聞いてんでィ」
「ひどいなあ。天職だと自負してるんですが」
「何でィ。教祖か何かか」
そりゃ髪は崇拝するべきものであるから、
その考えはある意味当たっているけれども！
「ーーー美容師です」
「・・なるほどな。欲望を発散させるには
もってこいの職ってことか」
「又の名を、悩めるキューティクルを救う救世主」
「要約すると変態ってことだろィ」
「まあ、人はみな変態ですからね」
「開き直るな」
ため息混じりに言い切った沖田さん。
まったく、話がまんじりも前にすすまない。
どうにかして、彼の髪に触れる口実を作らねば
ならぬというのに。
「・・言っとくが、俺ァテメェと仲良く喋りに
来たわけじゃねェぞ。こりゃ取り調べだからな。
お前がボロ出した瞬間にブタ箱にぶち込んでやる」
「やだなぁ、そんなこと言われて引き下がる様な
軟弱な髪信者じゃありませんよ私は！」
なめてもらっちゃ困る。
犯罪になるギリギリのところを攻めさせてもらう
もちろん、そのスタンスは警察相手でも変わらない
胸を張って話すのだ。
「今までどれだけの人間の髪を刈ってきた？」
「刈るってか、私は美容師ですから任意で・・」
「この世のハゲを生み出してるのはテメェだろ。
とっとと白状しやがれ」
「それは加齢か遺伝子では！？」
まてまてまて！あらぬ方向に話が進んでいるぞ。
ついさっきまで私が優位だったはずなのに！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュシュ☆☆(プロフ) - 中村さん» 中村さま！お久しぶりです！タイミングを見つけてのんびりやっていこうと思ってます！お互いのんびり楽しみましょうー！ありがとうございます！ (2023年1月11日 0時) (
レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» いつもありがとうございます！仕事の合間に更新できるタイミングでのんびりやっていくのでたまに遊びに来てくださいませ！ (2023年1月11日 0時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - 久しぶりにツクを開いたらシュシュさんの更新があってテンションが爆上げになってしまいました(笑)この2023年にまったり同じ界隈に浸っていられることがとても嬉しいです〜！ぜひぜひシュシュさんのペースで楽しんでください！今後とも応援しています！ (2023年1月8日 23時) (レス) @page12 id: e4443ffe23 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 新作おめでとうございます!! またまた、私のタイプの夢主ちゃんが…好きです!! もうシュシュさんの作品の夢主ちゃんたちがドストライク過ぎて、毎回毎回楽しみです!! 更新頑張ってください!! (2019年8月25日 18時) (レス) id: 6053f0b386 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シュシュ☆☆
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月25日 15時
