【銀魂】うまく生きる為の方法

不審者センサー ページ9

ここ数日、悪天候が続いていた。

窓の外では、大粒の雨が地面を打つ音が
派手に響いている。


ーーこういう日は、どうしても気分が落ち込んで
しまうというもの。客足も上々である。

元カノに新しい彼氏ができたのだと泣き喚くフリーターを落ち着かせた私は、そろそろ昼休憩にしようかしらと一つ背伸びをした。

とりあえず、午前はあと1人。もうひと頑張りだと
喝を入れた。・・のだが。









「ーーえっと・・？」

「おう、腫れは引いたみてーだな」




その最後の1人。ふらりとこちらに手を挙げた男は、
特に何の悩みもなさそうな顔で、
遠慮もなく椅子に腰掛けてくる。

いやいやいやいや







(・・助手ゥゥウ！！)



なんだよすんなり通しやがって！！
まあ確かに？こいつの特徴を伝え忘れていた私の
落ち度でもありますけども！来診するなんて
思わないじゃん！！


普段は効きすぎるほどに気が効く助手も、
不審者センサーは搭載されてなかったか。





「んだよぼんやりしやがって」

「・・ここハローワークじゃないよ」
「おい誰がニートだコラ」




ちなみに外科でも内科でもございません。
「相談室なんだろ？」と納豆男。その通り。
わかってるじゃないの。




「えっと、・・つまり？」

「愚痴りにきてやったんだよ」
「愚痴りに来た奴の態度じゃねェな！」




んー、お帰り願いたい。くるもの拒まずで
やってきたけれども、例外が1人。ブラックリスト

大前提に、この男には私の普段の面が割れてる。
ニコニコしながら真摯に相手の言葉に耳を向け、
安心させるよう促すことができない。





「ーーーと、とりあえず・・何かあったの？」

「さっきパチンコで大負けした」
「帰れ」


「おいおい、そりゃねーだろ客だぞ俺は」



一瞬でもちゃんと話を聞こうとした私が
大馬鹿者だった。ニートでパチンコ癖があるのか
こりゃ手に負えない。負う気もない。





「第一、あんたぜんっぜん落ち込んでないじゃん！
慰めてもらいにくる以前に反省をしろ！」

「反省っつったって、いつものことだしなぁ。
今更だろ」

「ほんっとクズ」



・・・マジこいつ、一体何しにきた。

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