ラブなレター ページ25
「ーーAさん、これ」
助手にしては珍しく、遠慮がちに声をかけてくる。
逆に怖いなとビクつきながら振り返れば。
「・・ああ、郵便？新聞の勧誘かな」
「いえ、どうにもそういうわけじゃなさそうで」
昼休憩の最中、くゆらす紫煙の白。
寒さが目立つ季節となってきた現在、
煙を逃がすために開け放った窓が憎らしい。
ーーが、助手からの指示だ。致し方ない。
そんなことよりも、
例の男と、近頃の自分の胸の内・・、
考えることは盛りだくさんなのだ。
だから、助手が控えめに差し出してきた封筒に、
不審点を見出す観察眼など機能していないわけで。
何の気なしに封を切れば、一枚の便箋が覗いていた
「手紙、かな？」
「やっぱり気味悪いですね。捨てますか？」
「いやいや、判断が早いよ助手」
即決、即行動が彼女のいいところでもあるが、
怪しげな紙切れ一枚に対してさすがに反応しすぎだ
これが、ピュアピュアな男子からのラブレターだったらどうするつもりなのだろう。なんて、内心で
冗談を言ってみる。
「ーーーおっ、」
「何ですか。不幸の手紙ですか」
「・・なぜ他の可能性を全てかなぐり捨てて
そこにいくんだね君は」
どうにも、ラブなレターだという可能性は、
この聡明な助手の頭には一欠片もないみたいだ。
屈辱である。ーーいやいや、それより、
「・・・"一目見たときから、あなたのことが
忘れられません"」
一行目からあふれんばかりのラブなレター感。
見事、フラグ回収。
「これ、まさか・・、」
「見たか助手め！私だってまだまだ捨てたもんじゃ
ないでしょーが！」
「罰ゲームか何かですかね。許し難いです」
「許し難いのは君だよ！」
許すまじ。私に向けられた愛を、罰ゲームだと？
心配してるような顔で盛大に傷つけてくる。
いや、ほんと、許すまじ。
「何で素直に目の前の状況を受け入れられないかな
これは紛うことなきラブレターでしょうが」
「でも、Aさんには出会いの場がありません。
どこで一目惚れしたというんですか」
「・・・街中、とか」
「では、なぜ住所まで割れてるんです？」
「・・尾行された、とか」
「ありえません」
「言い切るなよ傷つくだろォォ！」
出会いの場がないってのは、正直否定はできない。
ーーが、一目惚れの余地はある。
・・いつもいくコンビニとか。
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シュシュ☆☆(プロフ) - 白桜姫さん» 更新が遅くなって申し訳ありません…！読んでくださり、ありがとうございます！時間を見つけてチマチマとですが、更新していきますので、よろしくお願い致します！ (2019年1月20日 12時) (
レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 時雨さん» ありがとうございます！連続更新が難しい中、こうして足を運んでいただけて嬉しいです！最後まで、しっかりたどり着きたいと思います！ (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - なっかさん» ありがとうございます！こんな亀更新にお付きあいいただき、感無量でございます…！やはり、頭撫で撫では女のツボですよね！！ (2019年1月20日 12時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 久しぶりの更新嬉しかったです！次の再新も楽しみにしてます^ ^ (2018年12月29日 1時) (レス) id: a386c69c5e (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - シュシュ様の作品はどれもギャグ要素と恋愛要素の緩急が素晴らしくて読んでいて飽きません。無理なさらずにシュシュ様のペースで更新頑張ってください！ (2018年10月31日 0時) (レス) id: a393c4fa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュシュ☆☆
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月23日 12時
