【銀魂】うまく生きる為の方法

人と人生 ページ16

職場に戻った私は、助手にこっぴどく叱られた。
フルボッコだ。いや、実際に殴られたわけじゃ
ないけど、メンタル的な話。



「ーー例の納豆男が来たら私に知らせろって
言いましたよね？何一緒に昼食とってんですか」

「いやぁ、成り行きっていうか・・、ごめんて。
もうそんな怒んないで！アイラブユー！」

「一方通行なラブって虚しいですよね」

「わー、さり気なくフラれた」




助手冷たい。いつものことだけれど冷たい。
「午後の診察が入ってなかったから良かったものの・・、」なんて、助手の説教はまだまだ続く。

タバコに火をつけ、ぼんやりと聞き流しながら
あの男にもらった手書きの名刺を眺めていた。

意外と丸文字だな。




(ーーーさかた、ぎんとき)




明らかに胡散臭くて面倒でムカつく人種だけど、
いつまでも頭の隅から出ていかないのは、


・・あの男から感じる、自由さのせいだろうか。

憧れ、みたいな。




(うん、あり得る、)





周囲からの期待とか、劣等感とか、そんなもの、
簡単に振り払えるような豪快さや自由奔放さは、
私が常に望んでいるものだ。ビクビク怯えるより
そっちの方が百倍ラクだし、うまい生き方だ。


タバコに手を出したのは、うまく生きられない私の
ささやかな抵抗だったりする。ダサいかもしれない
けど、そうでもしなきゃ発狂してしまいそうだから

人生って難しい。





「Aさん？どうかしました？」

「ッ、え？」

「険しい顔してましたけど。体調悪いですか」



考えが表に出ちゃってたか。




(さっきまで怒ってたくせに・・、)


途端に私の心配だ。
いやはや、できた助手である。




最近、強く思う。

こんなに優秀で心優しいこの子を、私のそばに
置いておくのは、どっかでやめにしないと。


こんなカウンセリング崩れの手伝いをしたところで
彼女のためになっているんだろうか。

未来あるタマゴちゃんに、教えてあげられるような
人生経験も知識も、私にはないし。


いくら人間の心理を書面通りに説明したって、
そんなもの、実際アテにならないんだから。


あー、人って、難しい。





「何でもない。昨日寝てないからかな」

「え？持ち帰る仕事ありましたっけ」

「いやぁ、最近マ○オカートに再熱してさ」

「そうですか。お暇なんですね。
ではこの資料まとめは全部Aさんに託します」

「まじか！」



助手、容赦ない

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