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違う素顔 ページ22

盛り付けたカレーとサラダ。
人に食事をごちそうするなんていつぶりだろう。

今日は、いつもより上手くできた気がする。
湯気の出る皿に頬を緩めた。


そういえば、と違和感を感じたのは、
異様な静けさである。今日は、私一人ではないのだ






「ーーー銀さん?」



ひょいとリビングを覗く。
返事がないことに首を傾げた私だったが、
すぐ、その理由に気づいた。







「・・寝てる」




ソファの上。銀さんには少し小さいのだろう。
窮屈そうに縮こまって寝息を立てていた。
普段は死んだ魚のような目だと揶揄される赤い瞳も
まぶたの裏に隠れ、意外と長い睫毛が目立っている


気持ちよさそうに眠っているその人を起こすことは
何だか憚られてしまい。お盆に乗せたままの
カレーを一瞥する。・・うーん。


このままでは料理が冷めてしまう。

考えた末、物入れから取り出したブランケットを
そっとかけた。


せめてもう少しだけ寝かせてあげよう、という
結論に達したわけである。






「ーーそれにしても、」



眠っていると別人だ。
よく見たら、目を瞑った横顔は意外とキリッと
しているし、癖のある銀髪は、細やかで綺麗だ。



(・・よく考えれば、)




寝顔って、あまり他人に見せることがないものだ。
いつもと違う素顔っていうか。




そう思うと、
ーーートクン、と小さく胸が脈打った。






「でもまあ、・・銀さんは優しい時もあるよね」



テキトーかと思えば、案外こちらのことを
考えてくれていることもある。のらりくらりとして
いて、全く読めない人ではあるけれど、

それでも、私にとって好感の持てる人であることに
変わりはないのだ。


皿の中のカレーが刻々と冷めていく中、
私はひたすら、その人の寝顔を見つめていた。

血の気マイナス→←溢れ出る



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , ギャグ   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - インクさん» 変換ミスです。申し訳ありません!ご指摘、本当にありがとうございます! (2018年4月1日 1時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - スマートに の話の1部分「孫にも衣装」→「馬子にも衣装」です (2018年3月31日 23時) (レス) id: 2fb63eb0d6 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ♪( ´θ`)ノさん» ありがとうございます!ありがたきお言葉…!惚れ惚れしていただける作品…かけるよう頑張ります!よろしくお願いいたします! (2018年2月18日 11時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!お時間ありましたら、のぞいてやってください!いつも感謝です! (2018年2月18日 11時) (レス) id: a89349d530 (このIDを非表示/違反報告)
♪( ´θ`)ノ - いつも更新を心待ちにして居ります。シュシュ様の物語に惚れ惚れとして居ります!これからも執筆頑張って下さいね (2018年1月27日 17時) (レス) id: 1b93fa20e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月22日 23時

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