【銀魂】追う我が道は蟻の道

当たって砕けろ ページ8

今日も今日とて閑古鳥。事務所のベルは鳴らない。



事務所といっても、空きビルの小さな一室を借り
そこに私の自宅と兼ねて作ったものだ。

表には、"スーパー探偵事務所"なんて看板を掲げてあるが、依頼などほとんど来ない。名前がテキトーすぎるのかとも思ったが、これ以上適切な名前が
他にあるか、ーー否。ぶっちゃけ思いつかないし。






一人お茶をすする日々が淡々とすぎていく中、
私は「ーーあ、」と一つ声を上げた。






「・・・言おうとしてたこと、思い出した」




先日会ったお巡りさんに言いそびれたこと。
しまったー、と項垂れる。これは大事なことだった
これからの私の生活を左右する。








「ーーーちょうどいい事件があったら捜査協力するって、伝えてれば今頃仕事が____、」




・・あったとは、限らないが、けれど少なくとも
まだ希望を見出せていただろう。






「ま、あのお巡りさんが快く了承してくれるとも
思えないんだけどもね！」




ひねくれてた、かなり。世の中にはいろんな人が
いるけれども、あれはトップクラスにひねくれてた

・・それでも、基本当たって砕けろ精神の私は、
思いついたら即行動だ。やはり駄目元で頼んでみる
べきだったかもしれない。そう、何事も行動。
足を動かせ手を動かせ。ーーしかし、





「・・・警察にコネが作れたらなぁ」



そんなやましい考えまで浮かぶ始末だ。
けれどもこの状況では、煩悩まみれにもなる。

なんせ暇だ。仕事も金もない。


いっそのこと宝くじか何か当たらないだろうか。
もしくは大富豪でも降ってこないだろうか。
・・もうプライドも何もないことが頭をよぎる。

このままでは、また何もせずに1日が終わってしまう









「よし、・・ーー外、行きますか」




こういう時は、広報活動だ。

まず何より大事なのは、存在を知ってもらうこと。
ビラを配るとか、ビラを配るとか、ビラを配るとか





・・・・ひとまず、事務所から出よう。

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