二つの足音 ページ6
「いつまでついてくるんですか」
迷惑なんですが、と、後ろを睨んだのは、
副団長の部屋を出て数十分後。
長い廊下に響く足音は、依然二つのまま。
使い終わった資料を、再び腕いっぱいに抱え
保管庫に戻る道のりは、この広い船内のことだ
・・・まだまだ長い。その間ずっと、この兎の
相手をしなければならないのかと思うと、
気が遠くなる。
「暇なんだモン」
「仕事したらどうです?いつも副団長にばっか
任せてたら、そのうちクビにされますよ」
「大丈夫さ。阿伏兎がうまくやってくれる」
「・・・最早それ、副団長への信頼っていう
より投げやりですよね。本当クソ兎ですね」
「そっちこそ、本当に口悪いよネ。
まあそこも魅力の一つなんだケド」
「あーあーもう、うざいうざい」
口説き文句がワンパターンなんだこの脳筋は。
戦闘のしすぎでついに思考回路が一本となって
しまったのか。
「俺はAの全部が好きだケドナ。お前は
どーしていつも顰めっ面なんだヨ」
「あなたが絡んでくるからですよ」
「笑顔も見てみたいって言ったら?」
「あなたにお売りする笑顔はありません」
「バカだな。今の時代、スマイルは無料だろ」
「なら、マク◯ナルドへどうぞ」
しつこい男は嫌われる、なんてもんじゃない。
小さく舌打ちをした私は、歩調を早める。
こちとらファストフード店じゃないっての。
(ーー本当なんなの、こいつ)
出会ってこれまで、私は彼に少しでも惚れられることをしただろうか?・・否、私は最初から
こいつを拒んでいたはずだ。
ーーーそれでも、マントを翻し、夕焼け色の
綺麗な髪を揺らす男は、私から離れない。
ようやく見えてきた保管庫の入り口に
ガードキーを差し込んだ。後ろのそいつが
一緒に入場してくるのは、・・もう諦めよう。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいのですが、申しわけありません…コラボ作品は専門外なのです…。ご期待にお応えできず申しわけありません…よろしければ銀魂作品、楽しんでいただけると嬉しいです (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - fuさん» いつもありがとうございます!ここから盛り上げていけるよう頑張ります! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!きっとデレンデレンになってくれる…はずです!頑張ります!気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 夜神さん» あわわ…!本当ですか!ありがとうございます!心配していましたが、ご期待に応えられていれば嬉しいですっ!ぜひ養ってください!笑 (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!夢主ちゃんのドライな部分、うまく溶かしていきたいですね!足を運んでいただき、ありがとうございます! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月16日 12時