必殺、神経逆なで ページ5
やっぱりここにいたンだ、とヘラリ。
むかつく笑みだ相変わらず。
今の私の顰めっ面とは、大違いだ。
いつでも変わらないその顔に、むしろ呆れて
ため息しかでない。
「ーーー捜したヨ、A」
「私は捜してませんけど」
「嬢ちゃんのこと捜す前に仕事してくんね?」
「俺の仕事はAを見守ることデショ」
「そんな役職はねェ」
満足げに気色の悪いことを言うもんだから、
思わず、うげ、と声が漏らす。
何言ってんだこの腐れ兎は。もう仕事しなくて
いいから、おとなしく部屋で人参でもかじって
いてくれないだろうか。
「それ以上近寄ったら、この鈍器投げるから」
「ははっ、避けられないとでも思ってるの?」
「・・・最高にむかつくんですけど」
睨みつけても、分厚い書物を振りかざしてみても、動じる気配がない。まあ確かに、私がこれを投げつけたところで、奴には簡単によけてしまうんだろうけど。
「人の神経逆なでするのが特技なんですか」
「Aが勝手に逆なでられてンだろ」
一歩にじりよられ、すかさず後ずさる。
近寄るなと言われて近寄るってのは、立派な
神経逆なでだと思うんだけども。
まあとにかく、私はこのバカ団長に付き合って
いる暇はない。
無視して仕事に戻ろうとした私に、バカ団長は
「うっわ・・・、ちょ、何なんですか」
「ーーだめだヨ、油断してちゃ。隙を突かれて
すぐ殺されちゃうからネ」
突然、そいつが私の前に回り込んできたらしい
目と鼻の先にドアップ、バカ兎のヘラリ面。
彼の長い人差し指が、鼻の先に添えられた。
すかさずそれをバシリと払いのける。
「触るなクソ変態兎・・」
「いい度胸だ。そういうところも魅力だケド」
ーーが、やはりダメージゼロ。むかつく笑みは
そのままに、そいつはわざとらしく降参ポーズをとってみせた。
「にしても、確かに度胸あるよなぁアンタは。
団長にそんな口聞ける奴ァ、そうそういねェ」
「腰抜けが多いんですよ、この師団」
「それには同感だネ。どいつもこいつも
弱っちいったらありゃしないヨ」
「あなたと同意見なんて不本意です」
「そう?俺は嬉しいヨ」
まったく、どうしてこうもこの人は私に
突っかかってくるのだろうか。
どこを気に入られたんだかわかりゃしない。
「・・・お二人さん揃って、手厳しいねぇ」
副団長の唸りを聞きながら、隣の兎は無視する
方向に決めた。
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シュシュ☆☆(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいのですが、申しわけありません…コラボ作品は専門外なのです…。ご期待にお応えできず申しわけありません…よろしければ銀魂作品、楽しんでいただけると嬉しいです (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - fuさん» いつもありがとうございます!ここから盛り上げていけるよう頑張ります! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 戦胡蝶さん» ありがとうございます!きっとデレンデレンになってくれる…はずです!頑張ります!気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 夜神さん» あわわ…!本当ですか!ありがとうございます!心配していましたが、ご期待に応えられていれば嬉しいですっ!ぜひ養ってください!笑 (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 紫蘭さん» ありがとうございます!夢主ちゃんのドライな部分、うまく溶かしていきたいですね!足を運んでいただき、ありがとうございます! (2017年8月27日 19時) (レス) id: 61b42241f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年8月16日 12時