【銀魂】衝突必須の求愛物語

理由 ページ4

「ーーおう、来たか」

「おはようございます副団長」





資料の運搬を頼まれていた私は、副団長の部屋を訪ねていた。椅子に座り、書類に目を通す
その人の疲れ果てた顔を見ていると、
日頃の苦労が手に取るようにわかった。





「A、お前ェ団長みてねーか」

「見ましたよ、廊下で」


「・・もう起きてんのか」

「一生寝ててくれてもよかったんですけどね」



毎度そう願う私の思いも虚しく、数時間後には
ケロリと起き上がるクソ兎の間抜け面が浮かぶ

適当な棚の上で、運んできた資料を整理する私に、副団長は「お前さんよ、」と。呼びかけが
あったため、仕方なく資料から彼へと視線を
移せば、訝しげな表情でこちらを眺めていて。





「ーー前々から思ってたんだが、・・なーんで
そんなに団長のこと目の敵にしてんだぁ？」



一つ、落とされた質問にぴきりとこめかみが
音を立てる。再び脳内に浮上した間抜け面を
共に吐き出すようにため息をついた。









「ーーー彼が、夜兎だからです」


「・・はぁ？」








そういえば、ここにきて数ヶ月。団長を嫌う
理由を聞かれたのは、意外にもこれが初めてだ

あれだけ邪険にしているというのに。


ーーまあ、いちいち聞かれるよりマシだけれど






「夜兎だからって、そりゃ俺もそうだぞ」

「えぇ。だから、副団長も嫌いです」



「オイオイ・・・、また随分と手厳しいなァ」

「その中でも、あの子兎は一段と嫌いです」




まいったな、と頭をかく副団長。
けれども、その人は別に私の発言にショックを
受けてるわけではなさそうだ。
その様子を見届けて、私は資料の整理へと
意識を戻したのだった。


彼が呆れたようにため息をついたのが
何となくわかった。





「ーーついでにいえば、あんたも夜兎だろ」

「確かに夜兎ですけど、違いますから」


「・・・わっかんねーなぁ」





わからなくて結構です、と返しておいた。
まったく、これだから夜兎というのは。







(ーー特に、奴は)



私の上司であり、この師団の長。
いつでも、感情の読めない笑みをへらへらと
浮かべているあいつは、嫌い。


むっと眉間にしわを寄せたとき、
ーーうぃん、と。入口の自動ドアが開いた。

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