【銀魂】衝突必須の求愛物語

一眠り ページ29

「ーーうむ、ストレスと疲労による発熱ですな」

「・・・そうですか」




翌日、診察を終えた船内医師は、ベッドに
横たわる私にそう告げた。額に乗せられた
タオルが、そろそろ生ぬるくなってきている。


ーーーあぁ、やってしまったな、と、天井で
光る電灯をみながら、ぼんやりそう思った。






(体調を崩すなんて・・、)




あってはならない失態である。
仕事にも差し支えるし、ーー何せ先日の戦闘に 関する資料がまとまってない。早く上に提出しなければならないのに。





「日頃の生活習慣の乱れかな？」
「暴飲暴食暴睡眠の三大罪に言われたくない」

「わかってないな。食べて飲んで寝て戦うのが
健康の四大基礎だヨ」

「・・・最後のはごめんですね」




まあとにかく今日は休んでなヨ、と団長。

頭痛はひどいし、起き上がれば眩暈が起こる。
こんな状態で仕事をしても、まあ確かにミスを
招きかねないだろう。





「・・・すみません副団長」

「ま、仕方ねーだろ。今日くれェ休んどけェ」



ニヤつく兎の隣で黙っていた副団長は、
「最近働き詰めだったからな」と肩をすくめた





「薬は食後に飲むこと、水分はこまめに摂って
くださいね」

「ありがとうございました」




穏やかな声で喋るこの船内医師も、夜兎だ。
結構お年を召しているらしいが、若々しい。

ベッド付近の丸卓に薬の入った袋を置いて、
その人は部屋を出て行った。







「ーー団長、俺たちもさっさと仕事に戻るぞ。
Aのいねぇ分、仕事は山積みだ」

「それは大変だネ。頑張って」
「他人事じゃねーぞ」





この様子だと、仕事もすぐには片付きそうに
ないだろう。早いとこ治してしまわなければ。

睡眠が一番の治療薬、とはよく言ったものだ。
ここはよくよく眠って、明日には復活だ。






「んじゃあな、よく休めよ」

「・・はい」


「看病が必要な時はいつでも言ってネ」

「いりません」





扉が閉まり、一人の空間が訪れた。

ふぅ、と息を吐き出した私は、重くなる瞼に
任せ、一眠りすることにした。

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