【銀魂】衝突必須の求愛物語

本気で ページ28

ー神威サイドー




「ーーー結局、どれもこれもお前から飛び込んでくるンだもんな」




ーーーあの時、保管庫の梯子から落ちた時も。




腕の中で苦しげな呼吸を繰り返すAは、
ついさっきまでは、自分でベッドに腰掛けて
いたのだ。突然ふらりと揺らついたそいつは、
前のめりに倒れていった。


受け止めた体は、やけに熱くて。






「・・・バカだな。これ、"俺のせい"って
だけじゃないだろ」




ベッドに寝かせて布団をかけてやれば、
少し落ち着いたようにみえた。

いつもならば、触るなと鋭く怒られるはずだが
今回はおとなしく触らせてくれる。そっと
額に触れてみれば、ーーやはり、健康な常人より暖かかった。



・・・どうやら、体調不良の大きな原因は、
血の臭いではなく、発熱していることらしい。







「頑張りすぎっていうより、お前の場合は
気張りすぎってとこかな」



気が強いから、いつも人を突っぱねて。
そんな面倒で疲れることばっかするからだ。



汗が浮き出た額に張り付いた髪を払ってやる。
意識がないくせに、俺が触ると眉をしかめた。




「ホント、一筋縄ではいかないネ」



女のものとは思えない簡易な部屋。
必要最低限のものしかないそこには、
切れかかった電灯が、不完全な光を発している






「ーーーこれほど苦戦したのは初めてだ」




押してだめなら引いてみろ、なんて
よくいったものだ。

こっちばかりが耐えられない。
元来俺は、我慢はキライなんだから。






「悪いケド、・・これからは本気でいくから」




青白かったはずのそいつの顔が、
赤く色づいてきた。熱が上がってるんだろう。

その様子を一瞥した俺は、踵を返した。

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